概要:破壊工学ではしばしば, 破壊現象が一方的に進行する性質を 反映させるために, 解の時間発展に対する単調性を拘束条件に持つ 非線形問題を考える. 本発表では Allen-Cahn 方程式にそのような 拘束条件を課した問題を考え, 解の存在とその性質について近年 得られた結果を紹介する. 特に拘束条件が障害となり, Allen-Cahn 方程式ではよく知られた解のエネルギー消散性や平滑化効果が 妨げられるが,それが部分的にどのような形で発現するかについて, 関数解析的な立場から解説したい. 本発表は Messoud Efendiev 氏(Helmholtz Zentrum Munchen)との 共同研究に基づく.