概要:超関数の概念は、1950年ごろにL.シュワルツが初めて体系的に提唱し、 その功績もあって彼はフィールズ賞を受賞している。この「関数の一般化」 の考え方は、ディラックのデルタ関数など、以前から物理学や微分方程式で 使われてきた。その後、1970年代には超関数の超局所解析が佐藤幹夫らに よって創められ、以来、超関数の超局所解析は物理学や微分方程式を超えて さまざまの応用がなされてきた。セミナーでは、この歴史を振り返るととも に、主に講演者が研究してきた不変超関数やゼータ関数への応用について、 今後の課題とともにお話したい。