第116回GMSセミナー 日時:2023年9月8日(金)16:00- 場所:岐阜大学工学部13番教室 講師:福田 一貴 氏(信州大学工学部工学基礎部門) 題目:散逸効果を伴う一般化Fornberg-Whitham方程式の解の高次漸近形 概要:本講演では, 散逸効果を伴う一般化Fornberg-Whitham方程式の初期値問題に対する解の漸近挙動について考える. Fornberg-Whitham方程式は水面波に関する非線形分散型方程式の一つであり, 分散項が非局所的な畳み込みの形で与えられるのが特徴である. 今回の研究で扱う問題は, この方程式に散逸項を付与して, 非線形項を一般化したものであり, 非局所分散項付きの一次元移流拡散方程式とみなせる. 特に, 非線形項が二次の場合は分散項付きのBurgers方程式となるが, この場合に関しては, 以前の研究(Fukuda-Itasaka, 2021)において, 解の挙動が詳しく解析されており, その漸近形が第三次まで導出されている. 今回はより一般の非線形項を与えた場合に関して, その非線形項の指数に応じた解の漸近形を解析し, 解の第二次漸近形と第三次漸近形に関する結果が得られたので, それらを紹介する. 特に, 非局所分散項と非線形項が解の形状にどのような影響を与えるのかという観点から, 一次元移流拡散方程式やBurgers方程式などの先行研究と比較しながら述べたいと思う.