第115回GMSセミナー 日時:2023年7月28日(木)16:30- 場所:岐阜市生涯学習センター小研修室3(JR岐阜駅駅ビル東棟ハートフルスクエアG内2階) 講師:北 直泰 氏(熊本大学大学院先端科学研究部) 題目:消散型非線形シュレーディンガー方程式系の解の減衰評価と漸近挙動について 概要:本講演では連立系の非線形シュレーディンガー方程式の初期値問題を扱う。 既存の多くの結果では、データに小ささを課して解の減衰評価と漸近挙動を求めているが、ここでは初期データにサイズの制限を付与しないで解の減衰評価と漸近挙動を求める。 そのために、非線形項の構造として「強消散条件」と呼ばれる制約を与える。 半群理論の観点では、この強消散条件は非線型作用素が単調になる条件であるため、ベクトル場を作用させたL^2ノルムの時間大域的な評価を得やすい。 解の漸近挙動を求めるときに、連立系ならではの困難(ゲージ変換で重い項を吸収させることができない困難)があるが、それを克服するために、解の漸近形を具体的に求めることを諦めて、漸近形がある常微分方程式系の解になることを示す(Katayama-Sakodaの方法)。 本講演は佐川侑司氏(熊本大学)と中村能久氏(熊本大学)との共同である。