第111回GMSセミナー 日時:2023年3月23日(木)15:30- 場所:サテライトキャンパス 多目的会議室(中) 講師:横山 知郎 氏 (岐阜大学工学部) 題目:曲面上の流れの正方向と負方向の極限の振る舞いの依存性 概要:この講演では,正方向と負方向の極限的な振る舞いの依存性について紹介する.特に,極限サーキットであるような負の極限集合と局所的に稠密な正の極限集合を持つような軌道がないことを紹介する.講演の初めに,紹介する結果の背景となる部分について解説する.特に,軌道のトポロジーの分類,有限特異点の場合の極限集合の分類(Poincare-Bendixson定理),微分可能性などについて知られている結果を紹介する.次に,特異点が有限個しかないような場合について,曲面上の流れの正方向と負方向の極限の振る舞いの依存性を紹介する.最後に,一般の特異点を持つ場合について,極限集合の分類(Poincare-Bendixson定理の一般化)と曲面上の流れの正方向と負方向の極限の振る舞いの依存性を紹介する.時間が許せば,Hamiltonベクトル場や勾配ベクトル場に対して,閉でない軌道の極限集合は特異点からなることも紹介する.