分野:数と式
約分されている分数を考える.分子が1の分数を単位分数,分子が分母より小さい分数を真分数という.真分数は異なる分母の単位分数の和で表されることが知られている.m/nはm個以下の単位分数の和で表されることは次のようにして示される.nをmで割った余りを-m<r<0の範囲で取り商をqとする(n=mq+r).m/n=(qm)/(qn)=(n-r)/(qn)=1/q-r/(qn)であり,単位分数とmより小さい分子の分数の和で表される.一般に,真分数に対して,様々な単位分数の和がある. しかし,最小の単位分数の個数を求めることは容易ではない.
未解決問題
すべてのmに対し,4/m=1/x+1/y+1/zと表されるか.
練習問題
分母と分子が10以下の分数を単位分数の和で表してみよう.
問題の変更
分母を奇数に限定しても表されるか(解決済み).
関連内容:数列の和
キーワード:数論,リンド数学パピルス
英語キーワード:Egyptian fraction
参考文献:リチャード・K.ガイ,金光滋訳(2010)「数論「未解決問題」の事典」
三浦伸夫(2012)「古代エジプトの数学問題集を解いてみる」
西村洋一(2013)「同時解明―エジプト分数と完全数」
David Reimer, 礒田正美監修(2017)「古代エジプトの数学 文明繁栄のアルゴリズム」