障がい児者医療学寄附講座

近年、周産期医療の進歩による未熟児の救命率の向上などに伴い、医療的ケアを必要とする重症心身障害児の数が急激に増加しています。また重症心身障害児の長寿命化も進んでおり、成人期に達した障害者も増加しています。しかしながら、重症心身障害児者を受け入れることができる医療機関は慢性的な不足状態にあり、障害児者の診療にあたることができる医師の確保が大きな課題となっています。
一方、自閉症スペクトラム、注意欠如多動性障害などの発達障害児についても社会的な関心が高まっていますが、診断、治療、対応などの診療を行う小児科医もまた限られており、診察待機者の中には初診までの待機期間が約3か月に及んでいる例も見られます。 

重症心身障害、発達障害のいずれにも共通しているのは、障害児者医療に携わる医師の不足であり、その育成は急務です。本講座は岐阜大学医学系研究科小児病態学講座を協力講座とし、卒前・卒後の医学教育を通して障害児者医療に携わる医師の育成を担います。

重症心身障害に関しては小児科臨床実習の1日を使って、長良医療センター、希望が丘子ども医療福祉センターにて、直に重症心身障害児者やそのご家族と接し、、医学生に障がい児者医療に触れてもらう機会を設けています(右上写真:写真の掲示については同意をいただいております)。また、最近小児在宅医療が注目されていますが、寄附講座では重症児者医療の人材育成の一環として、平成27年8月2日に在宅医療に関心のある小児科医をはじめとする医師、看護師、理学療法士を対象に第1回小児在宅医療実技講習会を開催しました(写真下)。スタッフは岐阜県下の障がい児者医療の専門家である小児科医、小児外科医、看護師、理学療法士の協力を得て「オール岐阜」で行いました。

発達障害に関しては岐阜子ども発達研究会「ミモザ会」を2か月に1回の頻度で開催し、発達障害児とその家族へのよりよい医療支援をめざして研修会を行っています。
さらに、障害児者医療に関わりや関心のある医師のネットワークづくり、障害児者医療の在り方についての研究、医療・福祉関係者等に対する啓発講座を実施しています。