教授ご挨拶

ご挨拶

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 岐阜大学の小児病態学は,これまで先天代謝異常症を専門とされた折居忠夫名誉教授,アレルギー免疫を専門とされた近藤直実名誉教授のもとで優れた臨床, 研究が行われてきた伝統があります.その業績は地方の大学でありながら,日本,世界に誇れるものです.私はその両先生からご指導を受け,これまで臨床,教育,研究を行ってきました.振り返ってみると,この教室の多くの研究業績は患者さんと向き合う中から生まれてきております.臨床なくして研究はなく,臨床なくして教育もないと考えております.

 岐阜大学附属病院小児科は,アレルギー疾患,代謝性疾患,遺伝性疾患,神経疾患,免疫不全,自己炎症性疾患,自己免疫疾患,血液疾患,悪性腫瘍,内分泌疾患をはじめ多くの小児疾患について専門診療を行っております.また新生児集中治療部を備えており,岐阜地区の新生児治療において重要な病院となっています.また関連寄付講座として岐阜県からの障がい児者医療学講座があり、重症心身障がい児者、発達障害児への医療をどう行っていくかの研究と診療を行っています.また附属病院の遺伝子診療部の部長を私が兼ねており,岐阜県の遺伝子診療を担っております.詳細はそれぞれの分野の紹介をみていただければと思います.地方大学ですが,日本で初めて行う臨床研究にも力を入れております.ムコ多糖症に対するペントサン,血管腫やリンパ管奇形に対するプロプラノロール,mTOR阻害剤の臨床研究,治験は日本でのセンターとして先駆けて行っており,全国から患者さんが受診されております.一方岐阜地区の北の砦として感染症を含む一般入院も多く受け入れております.その意味では高度医療と一般診療の両方を行っている大学病院です.

 教育面では,成長と発達のある小児は,小さな成人ではありません.健全な成長と発達を目標とした小児保健の重要性,小児には年齢依存的な疾患が多いことを理解してもらえるよう教育を行っています.小児科医は小児の総合診療医であり,小児の専門診療医であり,やりがいがあります.教育の結果として1名でも多くの小児科医を目指す学生がでてほしいと思っております.

 研究面では,先天代謝異常症,アレルギー,免疫不全,自己炎症性疾患,血液腫瘍関係など世界に向けた研究を展開しており,教科書を1行でも塗り替えることを目指しております.臨床研究も重視し,患者さんから学んだことをきちんと後世に伝えるべく症例報告にも力を注いでおります.

 教室運営のモットーは「明るく活気ある教室」であり,それぞれが種々の分野での専門性をもって,identityをもって生き生きと教育,臨床,研究を行うことを目指しています.

 関連病院は,岐阜県内のほとんどをカバーしております.各病院が岐阜県の小児医療を皆で良くしていこうと日夜努力をしています.多くの病院が若い力を求めています.今後小児科専門医研修制度が変わります.岐阜県は統一プログラムを組んでおり,どこからスタートしてもきちんとした専門医研修ができるようになっております.岐阜で小児医療を我々とともにおこなっていく仲間,教科書の1行を一緒に変えていく大学院生を待っております.

岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学 教授
岐阜大学医学部附属病院 小児科 科長
岐阜大学医学部附属病院 新生児集中治療部 部長
岐阜大学医学部附属病院 遺伝子診療部 部長

深尾 敏幸