岐阜大学 生命の鎖統合研究センター

趣旨

岐阜大学 生命の鎖統合研究センター

 岐阜大学の強みである医・薬・獣が同一キャンパス内にある特徴を生かし、応用生物科学部や工学部などの生命科学系の研究者も含め、学内の秀でた研究者を学長のリーダーシップのもとトップダウンで融合した生命科学の研究拠点であり、糖鎖などの生体分子を利用したオーダーメイド医療の新拠点となります。

 文部科学省の世界トップレベル国際拠点形成促進プログラム(WPI、世界トップ拠点)京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS: Institute for Integrated Cell-Material Sciences, Kyoto University)のサテライト研究機関として岐阜大学が世界に誇る“糖鎖” 研究を基軸に、岐阜大学の特色を活かし、糖鎖、核酸、蛋白質など「つくる」領域で生体関連分子を合成や修飾します。この分子がどの様に細胞などと相互作用するか1分子イメージングや量子力学計算、さらにプロファイリングやオミックス・ビッグデータ解析などにより「ひも解き」、生体関連分子合成の指針を提供するとともに、病原体受容体あるいは細胞を識別する新たな人工分子を創出することで、人獣共通感染症や腫瘍・難治性疾患などを対象にしてオーダーメイド診断や創薬に「活かす」ことを目指します。

このセンターに結集した人材とともに、岐阜大学が世界の生命科学研究をリードします。

 当センターは、”つくる・ひも解く・活かす”をテーマにした生命科学の研究拠点として、生命科学の基礎研究で素晴らしい成果を出し、難治性疾患に向けた創薬などを通して国民、社会に貢献することを目標としています。その背景には、岐阜大学ならではの2本の柱があります。その一つが、生命科学分野を専門とした幅広い分野のトップレベルの研究者が集まっており、医学、薬学に加え獣医学も同一キャンパスにあること。基礎研究を創薬へと発展させる過程で欠かせない臨床研究において、より大きい動物から人へとつなぐことができる点に大きな期待を寄せています。もう一つが、国内トップレベルの糖鎖研究が進んでいること。本学は京都大学の特別研究拠点「iCeMS(アイセムス)」のサテライトキャンパスとして参画し成果を挙げてきましたが、その閉鎖に伴い研究を引き継いでいくことになります。糖鎖は、従来は創薬からは遠いところにありましたが、ガンなどの細胞変異、アルツハイマーなど神経機能に糖鎖が関わることが分かっており、当センターの3つの研究テーマを駆使することによって創薬へとつないで行くことが可能になります。これまで、研究者が個々に取り組み成果を出してきた基礎研究を一つのベクトルに収斂させていくには、ゴールを設定して研究者たちが交流・協同し成果を目指すトップダウンの組織が不可欠です。また、大学が持つシーズと創薬など社会・企業のニーズと研究を結びつける機能が必要です。当センターには研究者の立場からマネジメントを行うリエゾンファンクションという機構と、センターの研究状況を有識者により客観的な評価を行うアドバイザリーボードが設置されます。このユニークで実践的な体制によって、研究者の長年の成果を社会で開花させる道筋が見えてきました。私たちは、企業で手薄になりがちな基礎研究、生命現象の解明などを追究する研究機関としての特性を活かし、トップレベルの研究を連携させることによって大学全体の研究をレベルアップするとともに、世界的な生命科学研究のパイオニアを目指していきます。

センター長 岐阜大学応用生物科学部 教授 石田 秀治