福井の Home に戻る


  

 1998年(H10年)から日本一かき王国推進プロジェクトにおいて「めざせ!!大玉うまい柿」をスローガンに、大玉づくり運動を展開している。低樹高化はここ10年でほぼ定着し、省力、安全性の向上が図られてきた。産地をさらに発展させるために、園地の流動集積化、管理作業受託組織の整備などにも取り組んでいる。また、「より良い物を、より値打ちに、いつでも」出荷できる長期安定・計画出荷体制の一貫として、コンテナ栽培(ボックス栽培)、棚栽培等の新技術の積極的な導入や富有を中心とする晩生品種主体から中生や早生品種の導入についても検討を行っている。現在の栽培面積は、岐阜地域が約900ha,、西濃地域が約400ha、中濃地域が約50haとなっている。



 リンゴはモモ経営の組み合わせ作物として栽培が始められ、気象立地条件に恵まれていることから栽培面積が拡大し、現在約110haに達しています。作付面積の多い品種は、ふじ、つがる、ジョナゴールド、王林、むつなどです。大半が地元の朝市(高山朝市)や産地直売方式で販売されたり、一部はリンゴジュースに加工されるため、市場出荷は少なく、観光都市「高山」を有利に利用し、ブランド化を図っています。主な産地は久々野町・高山市などで、収穫時期は9月上旬から10月下旬、ふじは11月です。
 今後の目標としては、モモとの組み合わせに加え、早生から晩生の品種を選択し、経営規模の拡大を図ると共に、長期連続出荷体制を確立することです。また栽培技術としては、わい化栽培の普及による高品質果実生産、凍霜害対策、土づくりの徹底、つがるの着色向上対策、フェロモン剤利用による減農薬栽培などが挙げられます。
 今後は、「飛騨高山」の名前を有利に活用して積極的にPR活動を展開する予定です。




 岐阜県の主な桃の産地は飛騨地域(約90ha)と東濃地域(約20ha)に集中しており、中でも飛騨地域では国府町・久々野町・古川町に集中しています。飛騨でモモが栽培されはじめたのは昭和25年頃です。7月に熟す平野部に対し、海抜500mから800mに産地が集中する飛騨地域は8月の上旬から9月の上旬に収穫されます。陽光が強くて長い真夏に熟すことと昼夜の気温差が大きいことが作用し、甘くて色づきの良いモモがつくられます。「白鳳」「昭和白桃」が主な栽培品種でだいたい80%を占めます。味が良く市場では高い評価を得ています。
 飛騨地域は、「飛騨高山」の観光地として、東濃地域は「中山道の宿場町」として多くの観光客が訪れることから、市場出荷に加えて直接販売や宅配便による個別発送も販売先として大きな位置を占めており、積極的なPRを行い、山地として有利販売を行っている。


今後の目標として、個々の産地規模の拡大、新たな品種の検討の他、栽培技術として摘らい、摘果による大玉生産、凍害対策の確立、省力化に適した樹形の検討、フェロモンや天敵、忌避燈の活用による減農薬栽培を掲げて、産地の発展に積極的に取り組んでいる。



 岐阜県のなしの栽培は江戸時代末期から行われていたと言われています。本格的な栽培は昭和期に入ってからで、主に岐阜市や大垣市、本巣郡、美濃加茂市で栽培されました。現在でも、岐阜地域で46.8ha、中濃地域で62.1ha、西濃地域で26haが栽培されています。品種の約8割が「幸水」と「豊水」です。幸水は8月中旬ぐらいから、豊水は8月終わりから収穫されます。美濃加茂市では10月に旬をむかえる「新高」や12月に「晩三吉」があります。
 美濃加茂市山之上町では大都市名古屋からの交通の便がよいことを利用して観光ナシ園に力を入れており、約180戸の果樹農家がナシを中心に柿やブドウを組み合わせて栽培を行っています。



岐阜県では美濃の平野を除くほとんどの地方で山林が多く、至る所に野生栗が自生しており、これに接ぎ木したり、苗木を植えたりして栗が育てられました。その基礎となるのは明治末期に苗木の配布を行って奨励に努めたことによって築かれました。大正の始めに不破郡・可児郡で、大正の終わりには恵那地域で生産され、このころから、良質の栗が出荷できるようになり、地元の加工業者が名物「くりきんとん」等の加工して、その名を高めました。昭和25年には果肉の黄色が濃く、甘みの強い「利平栗」が誕生しました。高富町大桑の土田謙吉さんが天津甘栗系品種と「大桑大粒」を交配し育成した品種です。現在は東濃地域(約150ha)、中濃地域(約150ha)、西濃地域(約15ha)において「丹波」「筑波」「利平」を中心に栽培されています。なかでも中津川市・恵那市・美濃加茂市が栽培面積が多くなっています。最近では、低樹高化が推進され、栽培管理労力が省力化されると共に、大果多収生産が実現し、積極的な計画的な改植による園地の若返りも実施されている。




 武儀郡洞戸村で、特産のキウイフルーツの摘果作業が始まった。小さすぎる実や傷のついた実をより分ける作業。小さなエメラルドグリーン色の実が、太陽の光を吸収してゆっくり大きくなっている。 キウイフルーツの花は5月に咲いた。いまは、長さ約5センチの緑色の実が枝にぶら下がっている。 同村尾倉にある農業野村実さん(72)の農園では、1万個近いキウイフルーツが風に揺れている。昨冬の雪のために半分ほどの木が傷んでしまったが、残りの木にはことしも実がなった。 受粉のときに雨が降らなかったため順調に育っている。台風や病気の心配もあるが「このままいけば上等」と野村さん。4ケ月後には甘くてすっぱいキウイフルーツが味わえる。



【ミカン】

 県内唯一のミカン産地、海津郡南濃町の生産農家では、貯蔵庫に数カ月間寝かせて酸味を和らげた“甘いミカン”の出荷が始まっている。 同町産業課によると、町内には525戸のミカン農家があり、延べ約150ヘクタールで栽培。年間1000トン前後を生産、出荷している。 11月ごろに収穫のピークを迎える早生(わせ)などはすぐに出荷されるが、貯蔵熟成の対象になるのは12月に収穫する晩生(おくて)。果皮が厚くて甘みがある半面、酸味も強いため、1−4カ月ほど寝かせて酸味を和らげ、甘みだけを残す工夫をしている。 同町松山の川合農場(川合聡代表)では、貯蔵庫に約15トンのミカンがあり、5度前後の室温で保存。適度に熟成されたミカンは果皮を鮮やかなだいだい色に染め、甘みも増している。 同農場は市場へは出荷していないが、1月初旬から注文に応じて個人販売を行っている。川合さんは「例年と比べ収量は三割ほど少ないが、果実の大きさや糖度はまずまず」と話す。 出荷作業は3月末まで続き、ピークは1月下旬から2月上旬の間。西濃全域や岐阜市などに出荷され、10キロ550円前後で販売される。