福井の Home に戻る

 (有)亀尾園芸農園 (Gumi Five Seasons)

 韓国ソウルで開催された第27回国際園芸学会の折に,(有)亀尾園芸農園を訪問しました。
 (有)亀尾園芸農園は亀尾市が出資して行った切花専用団地構想の第2期施設です。スプレーキクの切花とバラの切花農場で,日本向け輸出専用農場です。

 施設総面積は99,000u(3万坪)で32人の個人農家が出資して共同経営を行っています。32人のうち,22名がスプレーキクの生産を行い,10名がバラの生産を行っています。スプレーキクの品種数は12〜16品種で,2005年の年間出荷量は810万本でした。出荷盛期には1日30,000本を出荷し,出資比率と栽培面積に応じて利益を配分するシステムです。

 従業員は50名で,時給3,100ウォンとのことです。
 日本の取扱商社は2社です。

生産方式は亀尾園芸輸出公社と同じ方式です。

 

しかし,管理が亀尾園芸輸出公社とは大きく違っており,充分ではありませんでした。
畝間にはかなりの雑草が生い茂っており,病害虫の管理は難しい状況ではないかと思います。
ハウスの構造自体も異なり,軒高がかなり低いため,温度管理は難しいのではないかと思います。
収穫されている切花の長さは亀尾園芸輸出公社の2/3程度で,日本に輸出したとしてもかなり安く買いたたかれてしまう品質でした。

 

挿し木の方法は同じですが,病気の予防管理が充分ではないために,かなりの割合で立ち枯れ症状が発生しています。

 

ソイルブロックを作っている最中で,作られたソイルブロックに次々と挿し木が行われていました。
下の左の写真は発根剤の入った弁当箱で,挿し穂の根元をこれに付けて挿し木を行います。
下のビデオを見ていただくと判りますが,オランダなどでの作業速度とは比べものにならない程ゆっくりとした作業でした。

   

 左の写真を Click してください。動画が見られます。

日本向けの輸出が主体ですので,出荷箱は日本語で表記されていました。

残土や廃棄根株は屋外に山にして積み上げられています。
野ざらし状態ですので,残土の山からは廃液が流れ出ていました。