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Meghna Floritech Ltd.
#468, 4th Main, Bangalore, INDIA

 2007年3月18日に米村浩次氏団長のインド・バンガロール・バラ産地視察に参加し,Meghna Floritech Ltd.を訪問し,Managing DirectoreのMr. R. D. Reddy氏の案内で施設を見学しました。
 Meghna Floritech社は1999年に設立され,2000年から輸出を開始した切りバラ専門の生産会社です。
 Meghna Floritech社はインド南部のデカン高原の南端に位置する主要都市バンガロール市(Bangarole)の北部約50kmにあり,標高800mの熱帯高地の切花産地です。Meghna Floritech社はヨーロッパ(オランダ)への輸出のためにMPS-GAPの認証資格を取得しています。
 生産施設面積は6haで,生産量は年間600万本,従業員は120人です。従業員の1日の人件費は50ルピー(130円)で,月給は1,500ルピー(3,900円)です。ケニアの人件費は1$/日でしたが,それよりは少し高い程度の人件費です。
 品質向上を社是としており,従業員教育にも熱心で,「平等な待遇と笑顔での作業が高品質を維持できる(Treat the labor as an equal and gain their commitment to producing quality flowers. A smiling labor is the most significant factor in ensuring good quality.)」の標語があげられていました。
 潅水は,夏季以外は2回/日で,夏季には3回/日の潅水が行われています。1回の潅液量は4リットル/uです。ファースト・レッド(First Red:NIRP International S.A.社)が15,000uされていました。ファースト・レッドはヨーロッパで主力の赤バラです。
 台木はRosa canina ‘Inermis’,Rosa multiflora,Natal brierが使われていました。生育は旺盛で,収量性は著しく高く,150〜200本/uです。蕾の段階でフラワーネットを被せます。

   

 バラの切り前は,オランダと日本とで区別して収穫していました。オランダは下の写真の「1」のステージで収穫し,日本輸出用は「2〜3」の切り前で収穫しているとのことです。

 畝は40〜50cmの高畝です。液肥を点滴潅液する養液土耕システムです。養液の潅液に加えて,植物体周辺の湿度を確保するためのミストノズルが設置されていました。

  

 温室はイスラエル型のパイプハウスです。

   

 短い切花も収穫されていました。短い切花を収穫することで,切り残った部分の葉は光合成を行う専用枝となります。短い切花は国内消費専用で出荷されます。

 温室内の通路は踏み固められていますが温室と温室外との間には段差があるため,温室で収穫されたバラはバケットに入れられて手で温室外に運ばれ,そこで3個のバケットが入るバケット運搬車に入れられて,選花場に運ばれます。

  

 収穫されて選花場に運ばれた切花は,いったん冷蔵庫に入れられ,充分に水揚げを行います。

  

その後,下葉処理機で切花の基部の葉を落とします。

 

第一次選別は切花長を基準に行います。その後に,花の大きさと開花度で再度選別する二段階選別を行っていました。
切花の選別は極めてシステマティックに行われており,従業員が手際よく選別を行っていました。

   

 選別された切花は20本単位で結束されて梱包され,再度冷蔵庫に運ばれます。

  

 冷蔵庫には2日以上置かないという社内規則を設けており,鮮度を重視した戦略を取っていました。空港までは専用の冷蔵車で運びます。

 

選花場では切花の日保ち試験が行われていました。

 取引種苗会社はフランスのメイアンが主な育種会社ですが,そのほかにデルイター,コルデス,NIRPとも取引を行っています。
 オランダのバラ育種会社の名前が挙がらないので聞いてみると,「オランダのパテント料が高いので,導入していないとのことでした。