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Golden Rose Agro-Farms Ltd
Western Shoa Zone, Oromiya Region, Ethiopia

 Golden Rose Agro-Farms Ltdは、Addis Ababaの南西40kmのTefkeiにあるイギリス資本のバラ生産会社で、1999年に設立されました。設立にあたって、経営コンサルティング会社からエチオピアの気候、標高、平坦地、豊富で安価な労働力などの情報を得て現在の場所を決定しました。
 農場の場所はAddis-Jimma highwayの中間点にあり、高速道路で空港まで42km(所要時間45分)です。エチオピアは道路整備が十分ではないところが多いのですが、地理的条件は良好です。
 標高2,070mで、40haの敷地に21棟の温室(22ha)が建てられており、従業員は620名です。32品種が生産されており、今後生産施設を8ha増設予定です。温室のタイプはイスラエルタイプです。エチオピアは朝夕に強い風が吹き、被覆資材が時々破れることがあるとのことです。

MPS-AMPS-SQFFP(Fair Flowers and Plants)FairTradeを取得しています。ドイツを輸出先とするためにはFaiTradeの取得は不可欠です。
 Golden Rose Agro-Farmsは標高が2,070mと高いため、外気温は25℃以上に上がることがありません。日中の温度を確保するため、サイドの側面は昼間でも締め切って温室の温度を確保していました。夕方には側面を解放するので最低気温は5℃前後となります。このような操作で、ハウス内温度を5〜32℃の範囲内で維持していました。

 バラの栽培年数は長く、会社設立当初の10年生の株もありましたが、樹勢は旺盛で、収量の低下はみられません。日射量や温度などの環境が余程バラに適しているものと思います。

  

 到花日数48日で、年間7回転の収穫が行われます。日本での収穫は年間5回程度ですので、成育が旺盛であることが判ります。収量は品種によって大きく異なりますが、400本以上/uのものものもあります。日本での平均的な収量が350本/坪ですので、3倍以上の収穫量です。ただし、品種によっては日本と同じ程度の120本/uのものもありました。

 

農場内にはコンクリートの作業道路が整備されており、収穫された切花の温室から予冷庫への搬入にはハンギングケーブルが使われています。

  

 収穫したバラは低温の水の入ったバケツに入れられて、モノレールやトレーラーで集荷場まで運搬されます。収穫したバラの低温管理体制は極めて厳密に行われており、温室から収穫されたバラは4?の予冷庫に搬入されて18時間以上予冷された後、選別、結束されます。
 温室から予冷庫に搬入する時には、収穫された温室番号、品種名、収穫日が記載されたカードを挟み込んで、問題が出た時のトレーサビリティーの確保に役立てています。

   

 選別作業には50人程度の従業員が担当していました。選花では、切り花の基部20cmの葉を除去し、花径と長さで選別されます。花径が4cm以下の切り花は廃棄されます。花の選別にかかる時間を15〜30分としており、低温管理に気を配っていました。

選別後に花束としてまとめられた切り花は、その後再び2?の最終冷蔵庫で最低18時間保存され、切花温度を充分に低下させてから箱詰めされます。

  

 選別結束されたバラのバケツには番号の付いた旗が立てられていました。この旗の番号は選別されて冷蔵庫に入庫された日数を示します。旗の番号は1〜4でしたので、冷蔵庫に保管冷蔵される日数は最大でも4日間ということになります。

 

 箱詰めされた切花は冷蔵庫の搬出口から直接保冷車に運び込まれます。出荷は週10回以上行い、19フィート保冷車2台と40フィートの保冷車で空港まで運搬されます。最大出荷能力は週50万本の出荷能力とのことでした。

選花場には選別にあたっての注意事項がきめ細やかに掲示されていました。
(1) 切り前の異なる切花を混ぜて結束してはいけない
(2) 微妙な花色違いにも注意して、区別して結束すること
(3) 葉の汚れを防ぎ、傷を付けない
(4) 切花の太さを区別し、異なる太さの切花を混ぜて結束しない
(5) 結束した時に切花の基部を揃えること
(6) 箱に梱包する時には、梱包する段ボール箱の側面から5ccmの間隔をあけて詰め、2段目のバラは1段目の花から5cm下げて詰めること
(7) 結束した切花の葉の部分はプラスチックスリーブあるいは薄手の紙で保護すること
(8) 箱詰めする時には花が移動中に動くのを防ぐためにプラスチックバンドを使用すること
(9) 箱には過剰な切花を詰め込まず、箱のふたがふくらむようではいけない

専用の花保ち試験室がありました。

 台木はナタルブライアーを用いて緑枝接ぎを行っています。台木の芽を1個残して緑枝を接いで挿し木してミニプランツとします。台木の芽は伸長させ、定植後に折り曲げて同化専用枝として用います。

 薬剤散布では防護服の着用が義務化されています。農薬散布した時には「農薬の種類、散布時刻、入室可能時刻」を記載するプレートがありました。

イオウの燻煙装置が設置されており、ウドンコ病の防除に使用されていました。

 毎秒6リットルの井戸が2基掘られているが、水量が充分ではないため、乾季には6.5km離れたAwash Riverからパイプラインを敷き、ポンプで用水を汲み上げて使用しています。
 栽培方式は点滴養液土耕栽培で、40cm程度の高畝にして定植します。畝の上部は良く乾いて根の生育環境に適していますが、畝の下部は加湿気味です。
 土壌改良のために投与している堆肥量を4〜5t/haと多くはありませんが、潅液する養液量が多いため塩類集積が起きていました。畝間は常時滞水が起きており、収穫作業効率も良くないと思います。畝に溜まった水にはアオコが発生していました。この過剰な養分が地下水汚染を引き起こすことになると心配します。

  

 昼の休憩時間は12:30〜14:00で、従業員は自宅に戻って昼食をすませて戻ってきます。大勢の従業員が昼食後に戻ってくる様子は壮観でした。
 FairTradeを取得していることから福利厚生にも配慮されており、看護師が常駐しています。ほとんどの従業員は周辺の村に住んでいますが、遠方の従業員用に寄宿舎も用意されています。
 Fairtradeでの販売金額の10%を基金として出資しており、労働者の福利厚生や集落設備の建設、micro-financeなどに活用しています。年間の基金投入額は$500,000に達します。

 

 オランダの仲卸会社Herburg Roses社の出荷箱がありました。価格は定価買取を基本としています。
 日本へは輸入商社YMSに販売しています。YMSはエチオピア空港周辺の入庫倉庫に数社の生産会社のバラを一括して集荷し、コンテナに混載してドバイ経由で関西空港に輸送しているとのことでした。日本へは9月から11月までに12回の輸出を行っていますが、そのうち2回の燻蒸処理を受けたとのことです。

 ロシアへの輸出に対して強い関心を寄せており、昨年(2007年)ロシアのバイヤーと交渉したが、価格で折り合えずに断念したとのことです。
 苗生産専門の別会社Rase Propagation社を持っており、敷地内の4,000uの施設で苗の生産が行われていました。生産した苗はGolden Rose Agro-Farms以外のエチオピアのバラ生産会社12社にも苗を販売しています。