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アールスメール花市場の歴史

 アールスメール花き市場は,1912年に‘Centrale Aalsmeerse Veiling’ (Central Aalsmeer Auction, CAV)として世界で最初のセリ取引の花き市場としてアールスメールの東に作られました。
 場所は,右の地図に示すように有名な(?)Hotel Aalsmeerの南の通りを東に行ったところで,現在は静かな住宅地となっています。
 その後,1928年にN201号線沿いの場所に移転しました。現在はテレビスタジオになっています。
 1976年に現在の場所に再度移転し,設備が完備しました。2002年にはN231号線を挟んで,さらに仲卸棟を拡張して,世界一の花き市場へと発展を遂げています。

 Holland Web社のMichel de Kok氏の案内で,なかなか見ることのできない設立当初のアールスメール花き市場跡地に行ってきました。

 是非,皆さんもアールスメールを訪問した時には設立当初の建物を訪れてみてください。オランダの花き生産の歴史を垣間見ることが出来ると思います。

 

上の写真はAalsmeer Bloemenveilingのホームページに掲載されていたものです。最初の花き市場の建物は,コーヒーショップとバラ苗販売所を改造したものとのことですが,現在の施設を知っている者にとっては,とても信じられない小ささです。
下の写真は2005年に撮影したものですが,左の写真は上の右の写真の面影が残っています。
当時は輸送手段が完備していなかったために,運河がもっぱらの輸送手段であったとのことです。
現在,この建物はレストランになっていて,設立当時の面影を残した建物の雰囲気の中で料理が楽しめます。

   

正面の壁には「Bloemenlust Cooper Veilings Vereen」と煉瓦で浮き彫りが施され,花き市場跡の名残が残っていました。

 

花き生産が盛んになってくると,設立当初の施設が手狭になり,1928年にN201号線沿いの場所に移転しました。
下左の白黒写真はAalsmeer Bloemenveilingのホームページに掲載されていたものですが,煙突が立っています。下右の写真は2005年に撮影したものですが,茶色の煙突が今でも残っており,当時の面影があります。

 

この施設もさらなる生産量の増加に伴って狭くなり,1976年には現在の場所に移転することになりました。
1928年から1976年まで使われた施設は,現在テレビスタジオとなっており,テレビ番組のロケ施設となっています。
スキポール空港からA4高速道路で西に走って,N201号線をAalsmeerに向かって走ると,跳ね橋を渡ったところの道路沿い右側に銀色のモダンな建物がみえますが,これが1976年に移転したアールスメール花き市場跡地で,テレビスタジオです。
裏に回ると,移転当初の建物がそのままの状態で現在も使われています。

   

日本では施設が移転すると,すぐに取り壊されて別の建物が建ってしまいますが,このように100年の歴史を感じさせる建物が保存されて,現在も現役でレストランやテレビスタジオに形を変えて残っていることに感動を覚えました。
オランダにとって,花き市場はオランダの歴史を語る上で重要な保存施設なのだということを感じました。