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●上海大地園芸種苗有限公司 (上海市)

総経理(社長)の袁文輝氏に色々と案内をいただきました。
大地園芸種苗有限公司は1994年に設立した会社で,オランダのSchreurs社などの種苗会社と提携して,海外登録品種の培養苗生産を行っています。組織培養による大量増殖を主な業務としており,その他に緑化木や宿根草などの緑化苗の生産も100,000uの農場で行っています。
2002年に1200uの組織培養施設を建設し,年間2000万本の生産能力を持っています。現在の生産量は年間800万本で,ガーベラ,スターチスのほか,観葉植物などを扱っており,スターチスはイスラエル,日本,オランダへ百数十万本を,観葉植物についても同様に百数十万本を輸出しています。輸出については,培養瓶あるいはプラグ苗での出荷を行っています。
中国国内の種苗法(中国種子法)では,「農家の自己増殖を基本的には禁止していない」ことから,無断増殖による育成者権の侵害が頻繁に見られます。しかし,大地園芸種苗では,正規のロイヤリティをを支払って増殖権を買い取って組織培養による大量増殖を行うことで,海外への輸出ビジネスが大きく発展し,年間7,000万元(9億1000万円)の売上げを挙げているとのことでした。
現在,オランダのSchreurs社からガーベラ15品種とバラ7品種について増殖権を得ています。
増殖権を得た品種については,中国国内はもとより,日本やイスラエル,オランダ,アメリカなどへも輸出しています。
2004年に上海農業委員会の支援を受け,上海市内の農民と協同組合を設立し,大地園芸種苗が増殖したガーベラやスターチスの品種を切花生産するシステムが確立し,120,000uの農地でこれらの切花生産が始まりました。

     

従業員の管理は極めて徹底しており,培養室毎に担当者が配置されており,1日数回,培養室内の温度チェックや雑菌汚染の有無などが調査されていました。培養室の中にはトヨアケアグリ(株)の専用の培養室があり,スターチスが大量に増殖されていました。

  

培養に携わっている従業員は65名で,生長点の切り出しなどの高等技術を有する操作は高度技術者6名が担当しています。
本社に隣接した農場では,ガーベラ,スターチスなどの培養苗の順化やキクの挿し木苗の生産が行われていました。
培養順化苗のうち,50%は日本やヨーロッパに輸出され,残りの50%は中国国内販売で,雲南省昆明や浙江省などの生産会社に販売しています。輸出苗の60%は日本向けとのことでした。
キクの挿し木苗は愛知県のお花屋さんグループへ輸出されています。キクの挿し木苗の管理をしている従業員は,お花屋さんグループに中国研修生として派遣された女性が担当していました。
施設は簡易なビニールハウスですが,温度管理や湿度管理は行き届いており,活着率は結構高い状態でした。湿度管理はビニールハウス内のベンチをさらに寒冷紗で覆い,その上からミストを掛ける方法で温度と湿度を維持していました。
これらの順化や挿し木の管理は日本で研修した若い女性が担当しています。

   

  

大地園芸がある場所は浦東新区の埋め立て地にあります。
従って,井戸水には大量の塩分が含まれるため,潅水などに使用する水は雨水を貯水したものや上水道を使用しています。
大きな貯水池が施設の脇にありました。

2004年に訪問した時には緑化木や宿根草などの緑化苗の生産も行われており,2010年の上海万博や2008年の北京オリンピックに向けた緑化ブームにも対応した経営を行っていました。

農場を視察していたら,大量の堆肥が積み上げられていました。原料について質問をしたところ,「ウーロン茶」の抽出滓だとのことでした。