====== 実行例 ====== これを踏まえた上で、chemfigを用いてそれぞれの界面活性剤の構造式を作る。 界面活性剤の構造式 ------------------ :1−ドデカノール: .. image:: 2-1.png :height: 100 .. code-block:: none :caption: 構造式のコード .. math:: \chemfig{-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]OH} .. math:: \chemfig{-[::45]-[::-90]-[::90]-[::-90]-[::90]-[::-90]-[::90]-[::-90]-[::90]-[::-90]-[::90]-[::-90]OH} .. math:: \chemfig{-[1]-[7]-[1]-[7]-[1]-[7]-[1]-[7]-[1]-[7]-[1]-[7]OH} .. math:: \definesubmol\alkyl{-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]} \chemfig{!\alkyl-[:-45]OH} このアルキル基の構造は、複数の書き方で表すことができます。 ``-`` (ハイフン)に対して ``[]`` 内に絶対角度、相対角度、0から7による番号指定の3通りで示すことができます。それと同時に、これらの長いアルキル基を ``\definesubmol`` でエイリアスの設定を行うとわかりやすい形で構造式のコードを組むことができます。今回ここに書かれているコードは構造式の左の方からコード化させていますが、アルコールの ``OH`` の方からもコード化することはできます。 :ドデシル硫酸ナトリウム: .. image:: 2-2.png :height: 100 .. code-block:: none :caption: 構造式のコード .. math:: \chemfig{Na^+|^{-}O-[:45,,3]S(=[:45]O)(=[:135]O)-[:-45]O-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]} .. math:: \definesubmol\alkyl{-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]} \chemfig{Na^+|^{-}O-[:45,,3]S(=[:45]O)(=[:135]O)-[:-45]O!\alkyl} この構造においても、アルキル基を始めに ``\definesubmol`` のエイリアスで設定することでわかりやすい形式に置き換えています。この構造式は左部分の ``NaO`` から順番にかかれていて、電荷の表示を行うために ``^`` (キャレット:指数での表記に用いられる)に ``+`` , ``{-}`` を入れて表示しています。また、ここで電荷の表記が重ならないようにするために ``|`` (バーティカルライン)を入れて電荷が重ならないようにしています。 ``NaO`` の ``O`` から ``S`` に伸びている結合は、絶対角度で ``45°`` で ``Na`` , ``{-}`` , ``O`` という順番で3番めの ``O`` から結合が伸びています。そして ``S`` は3方向にそれぞれ ``O`` と結合しています。 :エステル化したβグルコース: .. image:: 2-3.png :height: 100 .. code-block:: none :caption: 構造式のコード .. math:: \setcrambond{4pt}{}{} \definesubmol\alkyl{-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]} \chemfig{HO-[2,0.5,2]?<[7,0.7](-[2,0.5]OH)-[,,,,line width=4pt](-[6,0.5]OH)>[1,0.7](-[1,0.5]O!\alkyl)-[3,0.7]O-[4]?(-[2,0.3]-[3,0.5]OH)} この構造式に置いては、先の構造式と同様にアルキル基を予め ``\definesubmol`` で定義しておき、くさび形の最も太い部分の太さを調整しておきます。 そして、六員環構造の左下の ``HO`` から順番にコード化していきます。始めのハイフンでは環状構造を作るために、 ``?`` がついて、グルコースの5位のところとつなぐ仕様になっています。そして、手前に環状構造を持ってくるために不等号でくさび形の結合を使い手前の結合では線の幅を調整しています。後は一つ一つの結合の方向と長さを調整することで環状構造を示すことができます。 :エステル化したマルトース: .. image:: 2-4.png :height: 100 .. code-block:: none :caption: 構造式のコード .. math:: \setcrambond{4pt}{}{} \definesubmol\alkyl{-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]} \definesubmol\glucose{O-[1,0.5]?[a]<[7,0.7](-[2,0.5]OH)-[,,,,line width=4pt](-[6,0.5]OH)>[1,0.7](-[1,0.5]O!\alkyl)-[3,0.7]O-[4]?[a](-[2,0.3]-[3,0.5]OH)} \chemfig{HO-[2,0.5,2]?[b]<[7,0.7](-[2,0.5]OH)-[,,,,line width=4pt](-[6,0.5]OH)>[1,0.7](-[7,0.5]!\glucose)-[3,0.7]O-[4]?[b](-[2,0.3]-[3,0.5]OH)} この構造式も先ほどの構造式と同様に、くさび形の最も太い部分の太さの調整をしてアルキル基を ``\definesubmol`` で定義付けします。そして、更に先ほどのグルコースもグリコシド結合部分の ``O`` の表記の仕方を調整して ``\definesubmol`` でエイリアスとして設定します。あとはβグルコースにおけるグリコシド結合の ``O`` の部分にエイリアスで設定したものを ``!`` でつけるだけになります。また、員環構造が2つ存在するため、 ``?[a]`` と ``?[b]`` で場合分けすることで六員環が混ざらないようにしています。 .. image:: 2-5.png :height: 100 アルキル基の長さを調整します。あとは先程と同じです。 .. code-block:: none :caption: 構造式のコード .. math:: \setcrambond{4pt}{}{} \definesubmol\alkyl{-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]-[:45]-[:-45]} \definesubmol\glucose{O-[1,0.5]?[a]<[7,0.7](-[2,0.5]OH)-[,,,,line width=4pt](-[6,0.5]OH)>[1,0.7](-[1,0.5]O!\alkyl)-[3,0.7]O-[4]?[a](-[2,0.3]-[3,0.5]OH)} \chemfig{HO-[2,0.5,2]?[b]<[7,0.7](-[2,0.5]OH)-[,,,,line width=4pt](-[6,0.5]OH)>[1,0.7](-[7,0.5]!\glucose)-[3,0.7]O-[4]?[b](-[2,0.3]-[3,0.5]OH)}