有限要素法を用いた
二次元磁界解析


岐阜大学 工学部 応用情報学科
河瀬研究室


1.はじめに

 このマニュアルでは、有限要素法(Finite Element Method, FEM)に よる二次元磁界解析の手順を説明します。

 この解析手順のながれを簡単に書くと次のようになります。

(1) 分割図の作成
入力ファイル 使用プログラム 出力ファイル
object.dat meg
→→
in.dat
g.dat
sin.dat

(2) 磁界解析
入力ファイル 使用プログラム 出力ファイル
in.dat
g.dat
sin.dat
d3
ib
femig
→→
d.dat
out

(4)結果の表示
入力ファイル 使用プログラム 出力ファイル
in.dat
g.dat
sin.dat
d.dat
lookgc
→→



2.分割図の作成

 object.dat についての詳しい内容は他のページで説明していますので、 そちらを見たい人はここをクリックして下さい。
ここではここでは分割図作成用プログラム”meg”の扱い方を簡単に説明します。

<meg使用時>

3.磁界解析

 解析は二次元有限要素法を用いて行います。解析にはfemigという プログラムを用います。磁界解析に関係するファイルを以下に示します。

磁界解析に関係するデータ
入力ファイル 出力ファイル
in.dat
g.dat
sin.dat
d3
ib
要素のデータ
外形線のデータ
要素のデータ
ファイル指定用のデータ
実行時に入力するデータ
d.dat

out
磁束のデータ

解析経過のデータ

 次に、 磁界解析に関係する入力ファイルの中で、 2章の「分割図の作成」で作成されないファイルについて説明します。


 データが揃ったら、プログラムを実行します。 実行方法を次に示します。

femig < ib↓
注意:「↓」は改行(return)の意味


4.解析モデル

 例として用いた解析モデル図を以下に示します。このモデルは 馬蹄形鉄と棒形鉄とコイルで構成されています。コイルは100巻で 一本あたり1Aを図のように流しています。


解析モデル(単位:mm)

 このモデルは 上下に対称なので以下のように1/2領域で考え、 境界と分割優先度は図のように与えました。また、


解析に用いたモデル

 このモデルのobject.datを次に示します。

/* 長さの単位の設定[mm] */
factor = 1000

/* 境界条件 */
bound = line{  0,  0,  0,200,450,200,450,  0}

/* 形状設定 */
/* 空気 */
fig[6] = box{  0,  0,450,200}
/* 棒状鉄 */
fig[1] = box{270,  0,280, 50}
/* 馬蹄形鉄 */
fig[2] = arcpoly{150,  0,-50,5,
                 200, 50,  0,1,
                 250, 50,  0,1,
                 250, 40,  0,1,
                 200, 40, 40,5,
                 160,  0,  0,1}
/* コイル */
fig[4] = box{165,  0,175, 10}
fig[5] = box{135,  0,145, 10}

/* 材質指定 */
mat[1] = {3000,3000, 0}
mat[2] = {3000,3000, 0}
mat[4] = {   1,   1, 0}
coil = {4, 5.0e+5}
mat[5] = {   1,   1, 0}
coil = {5,-5.0e+5}
mat[6] = {   1,   1, 0}

/* 細分割条件 */
fine[ 5] = box{ 50,  0,400,150}
fine[10] = box{100,  0,350,100}

/* 積分路 */
path[1] = line{260,  0,260, 60,290, 60,290,  0}

 解析に用いた分割図と磁束線を示します。


分割図(要素数:5000)



磁束線



7.neo環境で解析をしている方へ

 この演習が終ったら次のコマンドを入力して、 in.dat*、d.dat*、g.dat*、move.dat*のすべてを消去して下さい。

rm in.dat* d.dat* g.dat* move.dat*↓
注意:「↓」は改行(return)の意味



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