環境生態科学コースに所属する教員の指導を受けた卒業生修了生を紹介するとともに、コースを目指す方へのコメントを掲載します(※肩書きは情報が寄せられた当時のものです)。留学生の方からの声は、こちらに掲載しています。

■卒業生からの声

愛知県庁・農林水産部農林基盤局農地計画課
熊谷 祐里、2012年度卒業(水利環境学研究室)

農業土木職は、ほ場整備やため池・排水機場などの耐震対策、公務員就職フェアでの様子公務員就職フェアで愛知県での仕事内容を紹介する様子(岐阜大学にて)農山村の環境整備など、農業に必要な施設を整備するハード整備がメインの職種ですが、現在私は、農村地域と都市計画との調整を行う土地利用調整、農業農村整備事業を普及啓発するためのイベント企画やパンフレット等のデザイン、インターンシップや就職説明会といった就職支援など多岐にわたる業務を担当しており、国の施策や県の方針など、常に新しい情報を把握して業務に反映する仕事が多いです。様々な業務を経験することができ、毎日刺激を受けています。

学生当時、土木工学から生態環境まで、様々な講義を受講し、幅広い分野を勉強する中で、農山村の二次的自然に興味を持ち、人間の豊かな生活と生物の生息環境との調和を図るための仕事を目指すようになりました。

まさか、ずっと物理を嫌がっていた私が農業土木職に就くとは、自分自身が一番驚いていますが、どんな出会いがあるか分かりません。環境生態科学コースでは、あらゆるフィールドにおける知識と技術について、講義、実験実習、演習から身につけることができ、将来の仕事に直結したスキルを磨くことが出来ますので、是非、得意分野・苦手分野、座学・実習を問わず、様々な分野を勉強し、刺激を受けてください。そうした中に、自分の目指したい道が見つかると思います。

【参考】熊谷 祐里さんの愛知県職員インタビュー(農業土木 農林水産部 農林基盤局 農地計画課)

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【参考】岐阜大学応用生物科学部は、愛知県農林水産部農林基盤局との連携協定を2017年8月29日に締結しています。
環境生態科学コースの教員が、この連携を担当しています。
【参考】国立大学法人岐阜大学応用生物科学部と愛知県農林水産部農林基盤局が締結した連携・協力に関する協定のキックオフ・ミーティングを開催しました。(愛知県)

山梨県富士・東部林務環境事務所
若林麻里加、2012年度卒業(山地管理学研究室)

現在、治山事業を担当しています。治山とは、森林の復旧・整備により、安定し健全な山を作り、生活圏を守るという意味です。私はその治山事業の治山施設の適正な配置計画及び設計と、工事発注、現場の管理や監督事務などの業務に携わっています。現場に出かけ、図面通りの構造物が施工されているか確認する業務や、山地の崩壊・荒廃箇所での現地調査業務、また、崩壊箇所への植栽を行い森林育成する業務も担当しています。
林業職を選択したきっかけは、「木が好き」であったことから、その木を扱う仕事に就きたいと思ったからです。公務員としての林業職は、森林整備、造林、林道開設など幅広く木を扱う仕事を行え、多面的に森林の管理・育成に関する視点をみることができると思ったからです。
山での重機の扱い方、山地崩壊地の復旧方法、架線のはり方、伐採方法、木材加工方法、などいろんな知識を学び、それを現場で活かせることです。森林という生き物相手にどうアプローチするか考えることは、大変なことですが楽しいことであります。
森林について多面的な視点を持った林業職員になることを目指しています。そのためにも、幅広い分野の仕事を担当し、多くの経験を積んでいきたいです。その中で、自分の強みになる部分を見つけ一技術者として森林の育成・保全に携わるようにしていきたいです。
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大学時代学んだことで「現在の職業で役立った」と思う講義は、生態学や環境工学です。適地適木の選定からコンクリートの扱い方、希少植物の扱い方は、大学で学んだことはどこかで結びついていて、業務を行う上で役に立っています。山の歩き方から、樹木の識別、CADの扱い方、内業外業問わず真剣に取り組むといいと思います。

外へ出て、肌で物事を感じることです。森林という大きな生き物を相手にするときは感覚が時には必要となります。それは、経験があるないとでは大きく異なると思いますので、いろんな森林をみて、ここには何が育ちやすいとういうようなことを体全体で学んで下さい。森林にかぎらず、どんなことでもチャレンジして、見たもの聞いたもの味わったものは体が覚えていると思いますのでいろんな体験をして下さい。

株式会社フジ環境サービス
駒井彩香、学部2009年度卒業(昆虫生態学研究室)

現在は工場の防虫管理を主な仕事としています。大学では社会性昆虫であるアリの生態を研究しており、それを活かせる仕事に就きたいと思い、今の会社に就職しました。仕事は大変な面もありますが、自分の考えた改善提案をやらせてもらえたりと、それ以上に大きなやりがいを感じています。今後は複数の現場を一人で管理させてもらうことを目標に、これからも頑張っていきます。
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揖斐川工業株式会社、新事業開発部
石川 啓明、大学院2009年度修了(森林生態学研究室)

研究を通して学んだ目的を理解する重要さ、問題解決のプロセスは、仕事に向き合う際の自信です

私が働いている揖斐川工業株式会社は、岐阜県大垣市に本社を置き、骨材、コンクリート製品、培養土、苗などを製造販売する会社です。地域のニーズに合わせた事業拡大にともない、ホテル業や運送業など、グループ全体の業務は非常に多岐に渡ります。その中にあって、私は生物農薬などの新製品開発を担当しています。
大学では森林生態学研究室に所属し、桜の遺伝に関する研究をしていました。大学時代と今では扱う内容が異なるため、大学の研究内容をそのまま仕事で使うことはありません。しかし、研究室に入ってから学んだことは、私にとって非常に大きな財産となり、仕事をしていくうえでの基礎となっています。
wDSC_0273.jpg学生時代、課題に取り組む様子
私は3年生の後学期から研究室へ配属され、卒業研究のテーマを与えられました。当初、教授や先輩方から言われるままにしか動くことが出来ない受身の自分がいました。しかし、分からないなりにも一生懸命に課題をこなし、研究を進めていく中で、原点である研究目的の理解が深まっていきました。何のためにこの研究を行うのか、教授が話される研究の目的を咀嚼し、自分の言葉で説明できるようになったとき、ようやく『与えられた研究』から『自分の研究』になったのだと感じました。目的が定まったことで、そこに至る手段が明確になり、現在やるべきことも見えてきました。『自分の研究』に対する主役意識が熱意を生み、頑張ることでさらに研究が好きになって理解が深まっていく。良い循環が生まれたため、研究室で過ごした時間が楽しく、また有意義になったのだと思います。私は、研究を通じて問題解決のプロセスを学びました。仕事の進め方も、これと同じだと思います。また、論文を読み、調査方法を考え、データを解析して結果を検証し、論文を書く。これは研究室に所属する大学生なら誰もが行っていることです。学生当時は分かりませんでしたが、研究を通して得られる論理的思考力、情報収集能力、パソコンスキル、文章作成能力は仕事をするうえでの必須の力であったと感じています。

これから大学に進学されるみなさんは、多くの選択を迫られ、迷いの中にあるかもしれません。そんなときは、原点に立ち返り、シンプルに目的を考えてみて下さい。必ずや自分に相応しい選択肢が見つかるはずです。成功や失敗、全ての経験を自らの糧としていって下さい。大学で得たものは、どのような仕事に就いたとしても自分自身を支える力と自信になっていくと思います。

農林水産省 関東農政局両総農業水利事業所
黒田裕一、2000年度卒業

kuroda-k.jpg実は今農林水産省では大改革が起こっています。平成11年、農林水産省の基本理念を定めた基本法が新たに「食料・農業・農村基本法」として生まれ変わりました。さらに、「米政策改革大綱」では長く続いた行政による米の生産調整から農業者主体の新たなシステムへと転換を遂げました。このように農林水産行政は今、大転換期を迎えているのです。現在、私は農林水産省の職員として「農業農村整備事業」という農林水産省が行う公共事業に関する仕事をしています。このような大きな改革の波の中で、公共事業においても重要な視点が導入されました。それは「環境との調和への配慮」です。しかし、実際に仕事をするうえで「環境との調和への配慮」という新たな視点にみんな戸惑っているのが実情です。私自身も「環境とは何なのか?」「守るべき環境とそうでないものの違いは?」「農業と環境は相容れるのか?」と常に自問自答しています。

 将来、みなさんが「環境」に携わる仕事に就いた時必ずこうした疑問に突き当たるはずです。そして、こうした疑問を整合的に理解するうえで、「環境」に関する基礎的な知識や理論的裏付けは大きな手助けとなるはずです。私が岐阜大学にいた頃はまだ、「環境」というものをメインに扱う授業はあまりありませんでした。今、必死になって勉強しているところです。この環境生態科学コースで、今最も熱い「環境」について基礎からじっくりと勉強することができるみなさんをうらやましく思います。

農林水産省 林野庁中部森林管理局
加藤里実、2000年卒業

wakakatou.jpg森林官としての仕事は、造林地の生育状態や除伐・間伐の時期などをチェックしながらの管轄内の巡視、森林調査や請負事業の監督などです。また、国有林を利用される皆さんに、森林の仕組みや森林の大切さをお伝えする森林インストラクター業務も行っています。国有林の管理事業は、森林・林業基本法の制定により、林業中心の森林管理から、森林生態系の維持・人の親しむ森林へという方針を打ち出しました。しかし、かつて植林した人工林の管理等に必要な基本的な林業の知識もやはり必要とされます。森林官になり活躍するためには、このような知識を身につけることのできる森林キャリア演習などの科目を充分学習することが望まれます。

 また、私は大学卒業後に森林インストラクター資格を取りましたが、この環境生態科学コースには支援する資格に森林インストラクターがあることをうらやましく思います。これらの支援が私の学生時代にあれば、森林インストラクターの資格取得がより容易になったと思います。私の母校農学部が改組した新生・応用生物科学部の環境生態科学コースで、森林を守り、森林を修復するセンスとスキルを身につけて、次なる森林官(フォレスター)を目指してほしいと思います。

三祐コンサルタンツ(株)
松原智子(旧姓:山本)1996年度卒業

matubara-k.jpg私は現在、国内外における農業開発、水資源開発その他、経済・社会開発に係わる企画、設計、施行管理、運営指導等についてのコンサルティング業務を行っている会社に勤務しております。

 近年、環境保全を基本に様々な設計が行われています。業務の内容によっては、設計時にその地域の生態系を調査し、施工後にどのような影響を与えるかなどの予測などを求められるものが多くなり、従来の農業土木の知識や技術だけでは対応できない、今までにない新しい分野の仕事が増えています。


 この環境生態科学コースでは、生態系を詳しく勉強ししかも工学的な技術を習得するという今までにはなかった新しい人材を養成する学科であり、将来、農業土木に関わらず、土木設計に携わりたいと思っている方は、必ず役立ち活躍されることが期待されます。

株式会社 環境科学研究所 生態系研究室 調査・研究課
大西 卓宏、平成6年度卒業

oonishi-k.jpg注:博士課程の修了生です。私の勤める会社では、環境(大気、土壌、水質、生態系など)の調査を行っています。この中の生態系の調査では、植物や動物のハイレベルな分類技能が必要となります。
 このコースでは、生物の幅広い分類技能が学べるカリキュラム設定になっており、生態系の調査をする上では実践的な知識が得られると思います。
 また、生態系の調査をする上で、取得しておいた方がよい資格(技術士、生物分類技能検定、ビオトープ管理士など)についてもサポートされており、社会での即戦力を意識したコース設定になっているのが魅力です。
 このコースで実践的な知識を多く身につけ、生態系について正しく理解し、皆様が今後の生態系のありかたについて深く考えることのできる社会人になっていくことを期待しています。