無細胞タンパク質合成系を分子生物学の新しいツールに

 ゲノムプロジェクトの進行とともに、多くのタンパク質遺伝子の塩基配列が解明されデータベース上に蓄積されてきました。しかしまだ機能がよくわかっていない蛋白質も数多く存在しています。これらのタンパク質の機能を明らかにする上で、その遺伝子を生細胞に導入し、その細胞にタンパク質を生産させる方法が一般的に用いられています。この手法は確かに多量の目的タンパク質が得られるという点で非常に重宝されますが、その反面、数多くのタンパク質を同時に生産することが困難なこと、細胞に悪影響を与えるタンパク質を生産させることが困難なこと、などのデメリットも存在します。

 これとは対照的に、細胞抽出液(この中にはタンパク質が合成されるために必要な成分をすべて含んでいます)を利用し、タンパク質 の材料である遺伝子 DNA や mRNA、アミノ酸やエネルギー源を添加して蛋白質を生産させる系が構築されています。この系を無細胞タンパク質合成系と呼んでいます。

 無細胞タンパク質合成系では多種のタンパク質を同時に生産するのが得意です。また細胞の生き死にとタンパク質の合成が切り離されているので、細胞に悪影響を与えるタンパク質の生産が可能であることもあります。さらに、外部からいろいろな因子を添加したり、タンパク質の生産に必要ない因子を取り除いて生産効率を高めたり、外部から天然には存在しないアミノ酸等を添加して、天然のタンパク質が持ち得ない機能を付加することも可能になります。

 細胞抽出液の由来によって生産できるタンパク質の性質が異なったりしますので、個々の系についての詳細はリンク先を参照してください。

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