最近の発表論文


Shinozaki, K., Shimizu, Y., Shiina, T., Morita, H. and Takewaki, T.
Relationship between taste-induced physiological reflexes and temperature of sweet taste.
Physiol. Behav. 93:1000-1004, 2008
清涼飲料水の過剰摂取は、肥満や糖尿病を誘発する一因となる。一般的には、清涼飲料水に含まれる大量の糖分が原因であると考えられているが、私たちは冷やして摂取することにも問題があるのではないかと考え実験を行った。温度の異なる同じ濃度の糖溶液をラットに与えると、温度が低い糖溶液では吸収前のインスリン分泌(頭相分泌反応)が欠落し、余剰エネルギーを熱へと変換する褐色脂肪組織の活性化も効率よく起こらないことがわかった。摂取する糖の量を味覚器でモニターし、それを基に適切な反応を起こす仕組みが、糖溶液が冷たいことにより“だまされる”ことになるのであろう。