バイモルフ型PZT素子を用いた高速油圧ディジタル弁の開発

 本研究では,PZT素子の高速応答性を活かすことにより,従来のオンオフ弁より高速に駆動できる高速油圧ディジタルオンオフ弁の開発を目的としている.
 本研究では,バイモルフ型PZT素子を採用し弁の試作を行った.以下に試作弁の構成図と,作動原理を示す.

 PZT素子に駆動用アンプから負電圧(-50V)を加えた時,PZT素子は下部方向に変位し,下部ノズルが閉じられ圧力が上昇する.それに伴いスプール部下室圧力が上昇し,スプールは上方向に移動し,スプールの動きに従って作動油はPポートからAポートへ流れる.
 逆に,正電荷(200V)が加わるとPZT素子は上部方向に変位する.このとき上部ノズルが閉じられ,ノズル部圧力が上昇する.それに伴いスプール部上室圧力が上昇し,スプールは下方向に移動,スプールの動きに従ってAポートへの作動油の供給は閉ざされる.つまり,フラッパ機構として用いているPZT素子が変位することによって,ノズル部の背圧の変化を生み,その差圧でスプールを駆動して,弁のオンオフを行っている.


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