柔軟構造を持つロボットアームの制御に関する研究

現在の産業用ロボットは,ロボットアームの剛性を高くとるために,1台のロボットのしめる作業面積が広すぎる,あるいは,作動時に多大なエネルギーを消費するなどの問題が発生する.この対策としてアームの軽量化が考えられるが,アームの軽量化は剛性の低下を伴い,アームの作動時の振動の発生という問題が起こる.
 もし,板ばねのようなフレキシブルな材質のロボットアームで,剛体のロボットアームと同程度の精度の制御が可能となれば,現在の通常のロボットに比べ,大幅な軽量化が可能となる.
 このことに関する研究は現在盛んに行われ,適切な数学モデルの選定が問題になっているようである.つまり,システムを分布定数系とみなして数学モデルを構成すると,無限個の振動モードを有する振動系となり,数式が複雑で,そのまま分布系を解析してこれを制御することは種々の困難を伴い,実用的でない.そのため,系の本質を失わない程度に簡略化された様々な数学モデルが提案されている.
 本研究では,状態空間モデルに基づいた,よりよい制御系の設計と実現を目的とする.


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