私の研究では、知能ベースと推論システムによる、油圧回路システムの開発を行っています。これはタイトルだけ聞くと何のことだかさっぱりだと思いますが、わかりやすく言ってしまえば、ユーザーが必要な情報をコンピュータに入力することで、それを元にコンピュータが、自身が持っている知識データベースから適した回路を探していき、それをユーザーに提示するというシステムの開発を行っています。

　また、今はその課題を与えられていますが、他にも産官学での合同研究として、生産環境の開発の話もきています。これは、元々の発想は人を重視したものであり、どういうことかというと工場現場で、生産を始めようとしたときいざ始めてみようとすると、人の体型、身長など、身体的特徴は様々なものであり、その人によっては、部品に手が届かないだとか、スペースが狭すぎるだとか、様々な問題が人が要因となって起こってしまいます。これはその人に合わせて作業現場をカスタマイズすればいいと思うかもしれませんが、そのカスタマイズを行うだけで、生産を始めるのが１〜２ヶ月遅れることもあり、軽視出来る問題ではありません。そこでその問題を出来るだけ軽くして、生産体制を早く整えるためのシミュレーションシステムを開発しようというのが、本研究の目的であります。このように合同研究を行う機会があることもあります。