読書歴

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 読書歴というほどのものではないが,これまで読んだ本の中で印象に残っているものについて書いてみる。

著者 宮本 輝

・ 「流転の海」

 おそらく,自身の父親がモデルと思われる。終戦後の大阪が舞台。豪胆で一本気な男の物語。

50才にして初めての子をもうけ,この子が大人になるまで生きなければと決意する。持ち前の

商才を武器に焼け野原の大阪で奮闘する。

・ 「地の星」

 「流転の海」の第2部。親子は一時大阪を離れ,愛媛へと移り住む。田舎でのびのびと暮らす

妻や子。しかし,男は再び大阪へ戻ることを心に決める。私はラストシーンを気に入っている。

・ 「血脈の火」

 「流転の海」の第3部。ここまでくると超長編小説。男は大阪で事業を再開するが,徐々にかげり

が見え始める。第4部の出版が待ち遠しい。

著者 新田次郎

・ 「孤高の人」

 ご存知の方も多いはず。山岳小説。単独行により次々と山を制覇する天才登山家「加藤文太郎」。

しかし,初めて他人と組んだ登山中に相方の無謀な行動により新妻と赤ん坊を残し・・・。

著者 鳴海 風

・ 「円周率を計算した男」

 数学に関して書かれた本ではない。これは,歴史小説である。江戸時代,関孝和の弟子,建部賢弘

の物語。「円理を究める」とは何か。数学に関係の無い人でも十分楽しめる作品。

著者 三島由紀夫

・ 「音楽」

 女は,自分には音楽が聞こえないと言う。この物語でいうところの音楽とは何か。

著者 川端康成

・ 「みずうみ」

 早い話がストーカーの物語。後をつける男と,後をつけられる女。実は,双方がその関係を楽しんで

いる。あやしいお話。


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