近年アメリカやスイスにおいて,地中熱利用ヒートポンプの普及がめざましい勢いで進んでいます.しかしながら我が国においては,あまり普及が進んでいません.その原因の一つとして,地震や火山の多い日本における地盤状況の特殊性があります.産業技術総合研究所では,国内における導入・普及を進めるために,地下の地盤状況や環境への影響を予測するための技術開発を進めています.
アメリカにおける導入状況 低温地熱利用の中でも,ヒートポンプ利用が著しく伸びています. (Lund & Boyd, WGC2000) |
地中熱利用ヒートポンプの種類
1.地中熱交換型ヒートポンプシステム 地中に設置された坑井(井戸)で熱交換を行い,冷暖房や給湯に地中の熱を利用します.地下水を汲み上げませんので,地盤沈下の心配がありません. |
|
2.地下水利用型ヒートポンプシステム 地下水を坑井を通して汲み上げ地上で熱交換を行い,冷暖房や給湯に地中の熱を利用します.少ない坑井で多くの熱エネルギーが得られます. |
図:NEDO平成10年度調査報告書NEDO-P-9802