図:白色光ライダー(予備実験装置)

出射光学系

フォトマル

望遠鏡

航空機対応レーザー

  

  この関連研究の成果として、岐阜県・愛知県での
  36時間前までの天気をピンポイントで予報しています。

  (局地気象予報 http://net.cive.gifu-u.ac.jp/


 発電量評価技術研究開発部門では、大気や雲などの動きを再現して、太陽光発電量に直結する日射量を推定する技術に関する研究を進めています。現在の太陽光発電パネルには「定格出力」すなわち、最大の出力が示されています。
ですが、日射量が推定できれば発電パネルを設置したときの発電量、つまり実効発電量を事前に知ることができます。これは自転車に例えると、エンジンの最大出力(太陽光パネルの定格出力)だけでなく、10モード燃費(実効発電量)がわかるのと同じです。お天気任せの太陽光発電では、この実効発電量がとても大切になります。

実効発電量が推定できると次のようなメリットが生まれます。

1.太陽光発電パネル購入を検討している人には、購入コストと実効発電量のバランスがわかり、購入の判断ができます。
2.設置場所ごとに、太陽光発電パネルのサイズや種類を適切に選ぶことができます。
3.上記1.2.から、太陽光発電パネルの普及を推進できます。
4.定格出力が大きくても、実効発電量が小さいパネルを判定でき、それを避けることができます。

<研究開発内容>
 研究開発はコンピューターシュミレーションモデルの開発と、モデル検証のための計測システム開発・計測・解析の大きく二つに分けられます。

1.シュミレーションモデル開発
 ・局地気象モデル
太陽光発電の発電量に関わる日射量を予測するためには、日射をさえぎる雲や大気中の粒子を把握する必要があります。私たちの研究グループでは、局地気象モデルを用いて実際の気象を再現しています。
 

   
  
    
 図:計算結果の一例

・分光日射モデル
 様々なタイプの太陽光発電パネルに対応するために、太陽からの日射量をスペクトル成分ごとに推定する分光日射モデルを開発中です。これによって、日中の明るい太陽からの日射から、夕暮れ時の赤い空からの光まで推定できるようになります。

2.計測システムの開発・計測
 


・ライダー
このライダーは、大気中や雲中の水粒子などの粒径や
その量を、レーザー・ビームで地上から計測することが
できます。計測結果は、シュミレーションによる計算結果
との比較や、シュミレーションモデルの改良に使われます。




・全天カメラ
 魚眼レンズカメラにより全天を一度に、そして連続して
撮影できるカメラです。このカメラによって、雲の分布や
その移動を追跡することが出来ます。撮影画像を解析した
結果は、シュミレーションモデルの検証などに使われます。

                               
                                図:全天カメラシステム          図:撮影された画像 

・分光日射量計(提供:(財)日本気象協会)
 太陽から地表面に届いた日射をスペクトル成分ごとに計測する分光日射計も設置しています。計測結果は、シュミレーションによる計算結果との比較や、シュミレーションモデルの改良などに使われます。



未来型太陽光発電システム研究センター憲章