Laboratory of Forest Ecology
■常緑広葉樹林(金華山:別名、稲葉山)■

 濃尾平野北端に残された数少ない常緑樹林帯。全山国有林となっている。アラカシ、ツブラジイが優占しており、ツブラジイの開花時期は黄金色に山全体が輝いて見える(山の名前の由来とも言われる)。基岩はチャート。非常に土壌が薄く、夏に寡雨が続くと、ツブラジイなどの枯死が目立つことがある。尾根沿いにはヒノキ・アカマツが一部あったが、近年枯死が目立つようになった。タイワンリスが野生化しており問題となっている。シダ植物のヒトツバの群生は見事。ロープウェーからの観察もなかなか楽しい。頂上付近の展望台からの眺望は絶景(岐阜大学も見えます)。

出現樹種(観察記録にもとづく)
アラカシ、ネジキ、カキノキ、タカノツメ、タラノキ、サカキ、ヤブツバキ、ヤマハゼ、ヤマウルシ、チャノキ、アベマキ、コナラ、ネミズミサシ、ツブラジイ、コシアブラ、アカメガシワ、リョウブ、ソヨゴ、ウワミズザクラ、ヒサカキ、サカキ、アセビ、モチツツジ、フユイチゴ、アカマツ、ヒノキ、タラヨウ、オガタマノキ、イヌツゲ、クサギ、カゴノキ、ツクバネ、ウスノキ、ネジキ、エノキ、ムクノキ、ムラサキシキブ、エゴノキ、イズセンリョウ、ヤブコウジ、タマミズキ、コバノガマズミ、コアジサイ、ホオノキ、シキミ、

常緑広葉樹林(金華山) 瞑想のこみち
金華山トンネル付近 瞑想の小径
岐阜城を望む 岐阜城を望む
岐阜大学よりツブラジイで黄金色に染まる斜面を望む 金色に染まる金華山遠景
ヒトツバの群生 群生するヒトツバ
常緑樹林の斜面 南西斜面の鬱蒼とした常緑樹林
アラカシ・ツブラジイ林木遺伝資源保存林 林木遺伝資源保存林にも指定されている
オガタマノキオガタマノキ看板
金華山の麓、岐阜公園では、岐阜では珍しいオガタマノキを見ることができる。金華山の林内では、1個体しか見たことがない。
チャートカゴノキ
岩のチャート。非常に土壌が薄いので、強度の乾燥時は、木々の枯れが観察されることがある。

カゴノキも岐阜ではなかなか珍しい樹木だ。頂上付近でみることが多い。

まだ葉を付けている個体 枯死した個体
金華山では、ヒノキの枯死が最近目立つと言われるが、原因は不明。
餌付け  金華山では、タイワンリスが野生化している。野生化の理由は様々な説があるので、ここでは言及しない。しかし、野生化したタイワンリスに餌付けをするという行為が行われているのは問題ではないだろうか? 
 自然に親しむということは、外来のタイワンリスに餌をやることでもないし、自然の生態系が比較的保全されている場所で、ヤマガラに餌をやることでもないと私は思いますが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。

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