このページのコメントは、加藤正吾個人が環境生態科学コースの教育に参加する際の思いであって、コース組織の公式の見解ではありません。コース選択の一助になればと思い、私的な思いを記載してあるだけです。ご了承下さい。
●「環境生態科学コース」の理念
自然共生型社会の実現を目指し、人間社会とそれを取り巻く自然・生物環境に関わる生態学と環境科学の基礎学理を教育するとともに、新たな自然環境問題に解決策を見出す創造力を養う。
●「環境生態科学コース」の特色
1.養成する人材を絞り込んだ点
新入生ガイダンスで配布された資料にもあるように、環境生態科学コースでは、自然環境修復系の造園・緑化会社、環境系のアセスメント・コンサルティング会社、土木・建設系の設計・施工会社、農林業系の公務員へ就職する人材を養成します。また、このような会社や公務員で働く技能が身に付けば、教育職、NPO(環境教育、まちづくり他)、国際協力機関(FAO、JICA他)を目指すこともできます。
2.コース必修科目を設定している点
各種生物の識別実習や生物・環境計測の実験・実習をコアカリキュラムとして、コース必修科目化し、講義室の座学だけではわからない現場実習・実験を“避けて通れない”ようにしてあります。これにより、理論だけの机上の空論ではない実力が身に付きます。
3.各種資格を積極的に支援している点(現在申請中を含む)
多数の資格や試験の免除などが、卒業時または在学中から得られ、就職活動の際に、取得した資格が利用できます。資格が、実社会で必要な理由の一つに、公共工事の受注資格制度があります。一定の資格を持った人が何人いるかどうかで、仕事を受注できるかどうかの入口が決まります。資格を持った人間がいない会社は、工事を受注できません。環境を修復すべき知識をいくら持っていても、公共工事では評価できないのです。もちろん、民間からの仕事も、公共工事の実績や有資格者の数が重要な要素となります。つまり、環境修復や緑化などを仕事にしたければ、知識・能力に加えて資格が必要なのです。この現実から目を背ければ、理想の環境修復はできません。
ガイダンス資料より、環境生態科学コースで、取得等可能な資格など。
1.取得できる資格
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2.試験の一部が免除される資格
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3.実務経験の短縮受験資格が得られる資格
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測量士補(国土交通省)
樹木医補((財)日本緑化センター
環境再生医(初級)受験資格
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2級ビオトープ計画管理士((財)日本生態系協会)(認定作業中)
2級ビオトープ施工管理士((財)日本生態系協会)(認定作業中)
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造園施工管理技士(2級及び1級)(国土交通省)(認定作業中)
造園施工技術者(国土交通省)(認定作業中)
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4.支援する資格採用試験等 |
技術士補(文部科学省)
公務員採用試験(農林水産省都道府県など)
農業改良普及員(各都道府県)
林業改良指導員(林野庁研究普及課)
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)
生物分類技能検定(財:自然環境研究センター)
エコサーバー(NPO法人JUONNETWORK)
初級システムアドミニストレータ(独立行政法人情報処理推進機構)
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注)上記の(認定作業中)の資格は、事前審査で認定されております。
●森林や自然環境、農山村の環境修復の際には、様々な知識が必要とされます。
・ 生物・生態・環境の基礎知識を有すること
・ 生態環境の各要素を計測・分析・解析・評価する能力を有すること
・ 生態環境の開発,管理,保全,修復に関し,環境生態科学的に適切な立案,設計,施工または提言,評価,
教育をなし得る能力を有すること
の3点の基礎能力が必要です。これらすべてに精通することは困難ですが、基礎がないと他社(他者)と交渉する際に議論ができませんし、話の理解ができません。
したがって、生態系(陸上の動植物や水系の水棲生物など)と環境科学(水・土・大気など)の理解の上に、環境修復の立案、設計、施工ができるようになる必要があります。
このような知識を得ることができる教育コースは、私が知る限り、他の大学にはありません。生態系、森林科学だけのコース、あるいは土木や環境科学だけを教育するコースでは、社会の要請に応える(社会で求められる)人材を養成できません。森林科学だけを学んで、30名以上の卒業生を就職させる就職口は岐阜県内にはありません。また、逆に土木だけを学んでも、これ以上、改変すべき自然環境がありませんし、他大学に数限りなくそういう教育コースはあります。つまり、この生態学と環境科学の融合したこのコースで目的意識を持って学ぶ皆さんには、他の学部や教育コースにない知識と現実社会への対応能力を持つことが可能だと思っています。
生産環境科学課程の多くの皆さんに目的意識を持って、環境生態科学コースを選択して欲しいと思います。
より良い社会の実現に、皆さんの学んだ力を結集しましょう。このコースには、教育に必要な教授陣が、そろっています。
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