Laboratory of Forest Ecology
■学会運営経験のメモ■

1.日本林学会大会・中部支部大会を経験して思うこと。 2004.04.13少々加筆
2.中部森林研究の編集を経験して思うこと(このページの中程です)。


1.日本林学会大会・中部支部大会を経験して思うこと。

以下は加藤正吾の個人的な“思い”であって、第112回日本林学会大会事務局、第51回日本林学会中部支部大会事務局の意見を代表しているものではありません。あしからず。

発表会場決定に関して
発表会場は、教室の数だけ確保するのではダメ。かならず、現場で教室の状態を確認(入口、スクリーン、暗幕)する必要がある。例えば、入口が、黒板の横にあるとか、スクリーンが会場に対して小さいなど。
あらかじめ調べておくと、黒板のすぐ横に入口がある部屋は集会系の会場にするとか、衝立を用意するなどの対応策を事前に打てる。

発表登録者に関して(とくに本大会)
発表を登録しても、「要旨が提出されないと発表できない」との表記は登録者の思いもよらない行動として現れた。「要旨を出さなければ、取り消されるのでしょ!?」というものである。しかし、大会事務局は要旨が届かない人に対して、「郵便事故」で届かないだけかもしれないと、非常に心配になる。結局、原稿が届かないすべての人に確認の連絡を入れることになる。理由は様々だが、「勝手に取り消されると持っていた人(これが本当に困る)」、「忘れていた人(時にはあるでしょう、、、)」などである。
でも、後からわかったことだが郵便事故だと思っていたのが、一件だけ事務局の紛失があった。なぜわかったかというと、送付自体が知り合いで送付したと言ったことと、Web上で郵便物到着確認をしていたことと、後から原稿が事務局のある部屋の中からでてきたから、、、。あの時は、本当にごめんなさいm(_ _)m。

発表題名の変更について(とくに本大会)
これは、大会事務局には非常に迷惑である。一度登録してしまったのだから、発表者本人が恥を忍んで、発表題名の間違いぐらい我慢して欲しい(当日自分で発表時にすいませんと言えばいいのだ、本当はダメだけど、、、)。自分一人だけと思う行動が、本大会レベルの規模だと何十人となることを忘れずに。

液晶プロジェクタ使用について
個人的な意見だが、止めた方がいい。とくにOHP機器との併用は、切り替えに時間がかかるし、OHPは電源の投入後は明るくならないタイプもあり、OHPの発表者が損をすることにもなりかねない。プロジェクタとパソコンを持ってくるからいいというものではない。切り替えは自分達でやると言われても、会場運営側は結局、人を手配することになる。ただし、集会などで自由に時間が使える場合はこの限りでない。

会場設営スタッフ(学生)への指導について
 発表者の立場に立った設営をしなければならない。OHP機器だけ置いてあってもOHPシートなどを置く場所がなければ、発表者はOHPシートの交換に時間を取られてしまう。
 日本林学会中部支部の第51回大会の準備でも、一番前の机にOHPを置いて、コードをつないだだけの部屋があって唖然とした。準備する学生は「発表することをイメージできていない」ことがあるので、その点の指導を怠る(つまり私が怠った)と、ひどい会場ができる(発表開始前には気が付いて修正した)。しかし、ある本大会に参加したら、これがチェックされずに講演が開始され、すべてのグラフが右上がりに見えるほど、OHPの投影が傾いているケースがあった。発表と聴衆を軽視しない重要な点なので、充分、チェックする必要がある。

机が傾いている部屋について
机と椅子が一体型の部屋では、机が少し傾きを持っていることが多い。この場合、交換したOHPシートを置くと床に落ちてしまい大変である。A4がすっぽり入る、書類箱(よく決済とか未決と書いてある奴)を置いておくと、OHPシートが入れられてよい。

指し棒とレーザポインタに関して
好みの問題なので、なんとも言えない。でも、私は指し棒が好きなので、学会には持参することが多い。スクリーンに手が届かないような大会場で発表することは私にはないと思うので、、、。

関連集会企画に関して(とくに本大会)
集会の終了時間は守って欲しい(とくに夕方)。大会事務局がコントロールできない部屋だけに(ずかずか入っていって、「はい止めて」とは言えないでしょう)企画者の人は会場を借りている立場を忘れずに時間を守ろう。

受付に関して
お互い挨拶を忘れずに。本大会開催は非常に大変でした。しかし、この大変さは、私自身に事務局の方々への感謝の気持ちの念を思い起こさせました。受付では、もっときちんと挨拶しようと(-_-;)。


追記(他の大会での経験から)
会場内に時計がある場合は、時計を正しく合わせる。会場内にあった少し進んでいた時計のせいで、発表者が座長が来ないのに講演を始めてしまった。

林学会ほど大きな学会の年次大会なら、クロークはあった方がよい。誰もが前日入りして、荷物をホテルに置いてこれるわけではないし、帰る日には当然荷物を会場に持ってくる。

ポスターは横長が断然いい。岐阜大学で実施したときは、横長だったので、発表者が立つスペースがあった。ただし、スペースの問題で実現不可能な会場もあるでしょう(これはやむを得ない)。




2.中部森林研究の編集を経験して思うこと。

以下は加藤正吾の個人的な思いであって、
第51回日本林学会中部支部大会事務局の意見を代表しているものではありません。あしからず。

結論を先に言っておきます。指導者の指導は大変重要だということを再認識しました。
編集作業中に唖然とした事例をもたらしたのは、99%学生の方からの投稿のものです。
指導を受けていなければ、ひどいレベルの文章を書いてしまうのは仕方がありません。
私も今でも文章をより人に分かりやすくするためには日々勉強をしています。

放任されていると感じたら、指導者に指導を仰ぎましょう。
身近に指導してくれる人がいなかったら、自分で探しましょう。


<<投稿連絡表関係>>
投稿連絡表などが一切同封されていない原稿があり、連名者にEメールで問い合わせても、
何の返信もないので待っていると、同じ内容の原稿と投稿連絡表が、一言のことわりの文書も
同封されることもなく、ただ送付されてきた例。
→あなたは事務局に手間を取らせていることを自覚していますか? 

学生の方なのに、連絡先に大学の住所しか書かず、学部名はおろか、大学名すら書かれていない投稿連絡表。
→あなたはそんなに有名な学生さんなのでしょうか? こちらが調べる羽目になりますよね。

投稿連絡表などにあるチェックボックスを無視して、あるいはチェックしているのに、回答書の同封しなかった人
→あなたは、嘘つきですか? じゃぁ論文の内容もきっとそうですよね!?

<<回答書関係>>
回答書の同封のチェックボックスに対して、回答書というものが見つかりませんが、と言う珍回答。また、回答書に、コメントに対して一つ一つ回答がなく、ただ「直しました」としか書いていない何の意味も持たない回答書。さらに、審査者の方へのお礼の言葉も署名(講演番号)もない。
→回答書が何であるかわからなかったら、指導者に尋ねて下さい。
→回答書というのは、一つ一つのレフェリーの疑問に答えるように書くのが常識です。「小さな誤字や脱字をすべて直した」と書くのはわかりますが、論旨に関係する部分の指摘があるのに、「全部直しました」では、、、。


<<論文内容関係>>
誰かが指導したとは思えない主語抜け、一文が“超”長文などがあっても、投稿される。
→主語抜けは一番はじめに論文を書く際に注意される点です。
 学術誌に載せる文章レベルを勉強しましょう。


図にタイトルがないものや、図のタイトルが上にあるものがある。
表や図にしても、縦線や横線が入ったものが異常に多い。
→もちろん、最近は図のタイトルが上にある外国雑誌もありますが、
中部森林研究ではそのようになっていないのはわかりますよね!
図にタイトルがないなんて問題外ですよ。

→学会誌を見て下さい。あなたの投稿した図表はひどいことに気がつきますよ。

引用文献は、ほとんどアルファベット順となっていない。あげくのはてには、
図や文献があっても引用箇所がないものもある。
→なんの為に投稿規定があるのですか? 読んで下さい。
→引用文献を引用箇所を明示してこそ、盗用にならないのですよ。
「引用してますが、番号書いてないだけです」、みないなことを平気で言うあなた、
論文を書く資質が問われますよ。

おどろいたのは、投稿原稿そのものに、ミスタイプの図表があっても、訂正事項だけを
記載し、訂正原稿を送ってこない人が多数いたこと。
→事務局や印刷所は、便利屋ではないので、ないものまで作り出すことはできません。
それでも結局は印刷所に無理をいって修正してもらうという状態。
いったい何を考えたら、自分のミスを人に直してもらおうとするのでしょうか?理解不能です。






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