辞書の世界 〜『江戸大節用海内蔵』の付録版画

  え ど おほせつよう かいだいくら
『江戸大節用海内蔵』の付録版画

エスカレートした付録合戦は、幕末には、多色版画(錦絵)まで付けるようになります。 一例として『江戸大節用内蔵』の巻頭付録から少し御紹介します。


「叙」(序)です。読者への挨拶であり、編者の意気込みを伝える場でもあります。竜虎図はそれにふさわしい題材なのでしょう。


「凡例」(本の紹介・使い方)です。このような事務的な部分も華麗な版画になりました。現代でも、色刷りページは巻頭に来ます。また、辞書の凡例も初めにあるものです。読者をつかむ工夫が、はじめにある「凡例」にも偶然適用されたのでしょう。


東海道富士川の図。『<江戸>大節用海内蔵』といっても富士山が出てこないと納まらないのかもしれません。次の図と組み合わせて考えると、また別の意味もあるように思われます。


江都日本橋の図。東海道の玄関口・日本橋。まさに江戸を代表する土地です。富士川と日本橋とで、外から内へという順ですが、空間を意識させます。


両国橋の夕景。夏の花火。先に言ってしまうと、次の図版は冬景色。明らかに季節を意識させています。一書のうちに、空間と時間に思いを馳せる…… 辞書というと硬いイメージがありますが、これなら楽しめそうです。


不忍池。お楽しみいただけたでしょうか。

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