当科は、平成25年に日本で初めて「病院前救急診療科」を標榜した診療科です。
名の通り、活動は「病院前」に特化しており、ドクターカーで現場診療(緊急往診)して、現場での診察、検査の結果で重症度・緊急度を診断して緊急治療を施しながら、最も適切な医療機関を医師が自ら選定して、消防救急車に乗り込んで収容病院まで治療を継続しながら搬送診療するというヨーロッパ型の活動をしています。
ヘリと違い、ほとんどの症例で発生現場そのものに到達して診療を始めており、お茶の間や道路上等で患者接触するのが基本となっています。
またCPA事案には全例出場していますので、救命医療とは一線を画したお看取り診療も行っており、現在当地域でのCPA通報の約7割は現場お看取り、不搬送となっています。
人口が10万人に満たない地域での診療ですので、24時間サービスですが年間500-600件の出場にとどまり、待機時間が非常に長いのも特徴で、当科にいらっしゃる後期研修の皆様には、この間に自習や論文執筆に割ける時間を多く提供できるのではないかと思います。