岐阜大学医学部附属病院|精神科

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理念と教育体制

教授の挨拶 岐阜大学医学部附属病院|精神神経科准教授|植木啓文

  私が精神科を始めた頃は精神科の守備範囲は狭く、内因性精神病の精神病理学的な研究が中心の時代でした。ヨーロッパ圏ではブロイラー、ヤスパース、ミンコフスキー、ブラン  ケンブルク、テッレンバッハ、本邦では、木村敏、笠原嘉、中井久夫といった高名な先生方の論文を読みあさった記憶があります。
 
その後、私は1984年と1997年の二度にわたって計2年半の間、ドイツ・ミュンスター大学精神科で過ごす機会をいただきました。そのミュンスター大学精神科は、マウツ教授からテレ教授の時代までチュービンゲン学派の多次元精神医学の伝統が受け継がれており、精神療法、精神病理学から、家族心理教育、さらには、分子遺伝学、精神薬理学といった身体および心理・社会学的な研究が幅広く行なわれていました。そして精神科病棟および研究棟は、超近代的なタワー型の診療棟から離れた場所に位置しており、まさに「精神科病棟の雰囲気は精神療法的でなければならない。そうでなければ精神科ではない・・・」(マウツ)という言葉が当てはまるような空気を醸し出していました。
 
  さて、最近、精神医学に対する社会の要請は多岐にわたっています。内因性精神疾患の病態解明や治療はもちろんのこと、心因性疾患から、さらには、緩和ケア、職域のメンタルへルス、自殺予防等々へと、精神医学の守備範囲は膨大なものとなりつつあります。こういった時代にこそ、多次元精神医学という概念、そして、精神療法的な態度というものが要請されているような気がいたします。当講座の英語表記を「Psychiatry and Psychotherapy」としたのも、このような要請に応えようとしたからに他なりません。
 
  当講座は、残念ながら大所帯なものではありません。しかし一方で、担当できる症例が豊富であること、精神医学の多岐にわたる分野を密な指導を受けながら研修期間中に経験できることなど、当講座ならではのメリットも多いと確信しております。多くの方々に関心を持っていただけましたら幸いです。