計算機代数システム「MuPAD」


2004-03-05 更新

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ドイツのParderborn大学で開発されている計算機代数システム「MuPAD」は,SciFace Softwareのホームページからダウンロードとユーザ登録をすることができます. 特に「MuPAD Light 2.5.3 for Windows」 は,学生がネットワ ーク経由の登録を行えば,いくつかの制限条項のもとに,無料で使ってよい ことになっています.ここでは,そのダウンロードとユーザ登録の仕方を説明 します.


このソフトについて
ダウンロード
インストール
ユーザ登録
解説書・リンクなど

このソフトについて

このソフトは言語「C++」や「Java」のように,システムプログラミングに使われ る言語ではありません.むしろ,手軽に整数や多項式のなどを含めた数学の計算を 行うツールと考えてください.プログラミングの知識はもちろん必要です が,それにも増して必要なのは数学の知識とそれに基づいた アルゴリズムの知識です. この言語では,アルゴリズムが見えやすい形でプログラムを書くことができます. その意味では,整数環や多項式環などの代数系の アルゴリズムの勉強をするときにはよいシステムといえるでしょう.

このソフトは,数学の知識がないと何をやって いるのかわからず,マニュアルを読んでも理解できない,という面が あります.また,非常に多くの機能がありますが,最初からすべてを 使おうとせずに,まず少ない知識の範囲でプログラムを書いてみて, それから実際に自分が効率的に使うにはどうしたらいいのか, を考えるのがいいでしょう. 今の世の中,勉強しなければならないことは山ほどありますから, マニュアルを最初から読んでいる暇なんかないでしょう. 基本的なことを拾い読みしながらまず使うことです. また,アルゴリズムがわかっているならば自分で基本的な機能を使って プログラムを書いて計算してみることを奨めます. 特に,数学(解析,代数,微分方程式,ベクトル解析,整数論など) の学習をするときに,実際にこのソフトを使って そのアルゴリズムのプログラムを書きながらお使いになることをお奨 めします. 講義においても,このソフトのプログラムを例示し,実行しながら説 明を加えることがあります.

講義では,もっとも普及しているOSであるWindows版の 「MuPAD Light」を使用しますが,実際に自分が使うバージョンはWindowsでも LinuxでもMacでもなんでもいいです.あなたがいちばんよく使う環境で 使ってください.出てくる結果は同じですし,プログラムの書き方も変わりま せん.

ここでは,講義中に説明した プログラム例 をひとつ置いておきます.

また,このソフトと非常によく似た言語仕様の 計算機代数システムに「Maple」があります. これはWindows版の「MuPAD Pro」と同様に有料ですが,使いやすいユーザ インターフェイスと豊富なライブラリを持っています. 最近の版(「Maple7」以降)は日本語版も用意されています. これについては, 開発元 日本での発売元 のホームページをごらんください.

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ダウンロード

まず, 「MuPADの公式ホームページ(http://www.sciface.com/) で,「donwload」のタブをクリックしてダウンロードのページに入ってください. そして必要なバージョンをダウンロードしてください. 講義では「MuPAD Light for Windows 2.5.3」を使います. これは登録すれば学生や教員は非営利目的にかぎって無料で使用できます. ファイルサイズは20Mbyteちかくもありますから自宅にインターネットが 入っていなかったり常時接続でない場合にはダウンロードが困難かも知れません. その場合は,大学でダウンロードしてUSBのメモリなどにコピーして持ち帰って 自宅のパソコンにインストールするといいでしょう.

Linux バージョンである MuPAD for Linux 2.5.3 も無料です. Linux のお好きな方はこちらをどうぞ.Mac版もありますがこれは有料です. 有料バージョンである MuPAD Pro for Windows 2.5.3 も39ユーロ (5000〜6000円程度)でライセンスを取得できます(クレジットカード で支払えば即座にライセンスが発行されます)が特に必要ではありません.

なお,最新のバージョンは MuPAD Pro for Windows 3.0 です.グラフィックス関係 を中心に大きく機能が向上していますが,数式処理機能は2.5で十分のようです. 「MuPADの公式ホームページ」 「MuPADの日本の代理店のホームページ」 をご覧ください.

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インストール

インストールは簡単なので問題ないと思います(ファイルをクリックし て指示にしたがうだけです).インストールが終わると,スタートメニュー に「MuPAD Light」と「MuPAD Tutorial」があらわれます.「MuPAD Light」 がプログラム本体,「MuPAD Tutorial」は公式ガイドを兼ねたドキュメント です.「MuPAD Light」はすぐに立ち上がります.「MuPAD Tutorial」を参照 しながら動作することを確認してください.

次に,「MuPAD Litht 2.5.3」と「MuPAD Pro 2.5.3」の立ち上がりの画面を示します. ボタンなどの数から,「MuPAD Pro」のほうが高機能だと思われるでしょうが, 計算の機能はどちらも同じです(画面をクリックすると大きくなります).

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ユーザ登録

そのあと登録を済ませてください.登録はダウンロードページの 「How to get a MuPAD license」をクリックして,そのあとの画面で 「Please visit the MuPAD TAN-Server」の部分をクリックしてください. 指示にしたがっていくとライセンスを発行するサーバにつながります. そこで必要事項を記入し,必要なライセンスをオーダーすると ユーザー名とRegistration Key が発行されますのでそれをコピーしておきます. このユーザー名とRegistration KeyをMuPADの 登録画面に入力すればインストールは終わりです.登録画面は help の メニューから Registration を選んでください.バージョンによっては 30日のお試し期間を過ぎるとソフトが使えなくなることもありますのでご注意を.

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解説書・リンクなど

公式のドキュメントはヘルプから表示できます. また,オンラインドキュメントもあります. 「MuPADの公式ホームページ(http://www.sciface.com/) で「support」のタブをクリックして 「Online Documentation」のページに入ってください. あとは必要な部分のドキュメント(PDFファイル)を見ることができます.

また,日本語での解説は実はWEB上にいくつもあります. インターネットにつながった環境なら,これらのホームページからリンクを たどれば,いろんな使い方の例を見ることができます.

日本語の解説書も出ています(2004年8月現在).

「はじめてのMuPAD」(赤間世紀著,シュプリンガーフェアラーク東京)
「MuPADで学ぶ基礎数学」(赤間 世紀・山口 喜博著,丸善(株)出版事業部)

Maple」 や 「MuPAD」 は,数式処理一般を扱いますが,さらに専用的なシステムである 「GAP(群論計算)」, 「PARI/GP(数論計算)」, 「Risa/Asir(多項式計算)」 など,特殊用途の計算機代数のシステムも使ってみましょう.

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