概要
岐阜大学では、新しい動物実験施設が完成し、平成17年春より運用を開始しました。 この新しい施設は、平成16年に医学部と大学病院が、司町キャンパスから大学本部のある柳戸キャンパスへ移転した折りに、これらの建物に隣接して医学部生命科学棟を建設したことによります。平成16年12月20日に竣工したこの新しい実験施設は、5階建て、延べ床面積約6582.16平米を有します。新しい棟は複数の部局が入居する合同施設で、生命科学総合研究支援センターと医学部の大型機器並びに設備が設置され、岐阜大学における生命科学分野の研究活動に大きく寄与することが期待されています。 この棟の1階には医学部の空間識実験室、NMR実験室、肉眼解剖実習室、2階には生命科学総合研究支援センターゲノム研究分野RI実験施設、そして3階から5階には同センター動物実験分野動物実験施設が入居しています。動物施設としてこれまでに比べ、旧キャンパス医学部棟内に散在していた飼育設備が中央集約化され一元管理されるとともに、飼育室スペースも大幅に拡大しました 新動物実験施設は、4つに分かれた飼育室エリアを有しており、SPF小動物飼育室、クリーン小動物飼育室、中動物飼育室、感染動物飼育室から構成されています。そしてこれらの飼育室に加え、各実験室、中動物用手術室などを保有しています。また全室P1Aには対応しているので、遺伝子組換え動物の飼育面積も増えました。これまでの施設に比べ、新たにSPF動物を用いた実験、P2/P3クラスの感染動物実験、遺伝子組換え動物の作成などができるようになりました。また、小動物飼育室には、全室、個別換気型ケージングシステムを導入したのも、本施設の特徴です。これにより、1飼育室あたりの収容可能頭数は大きく増え、動物実験施設で問題となりやすい不足気味の飼育室面積にも対応できるようになりました。 動物実験施設は、平成15年に改組され、医学部の附属施設から、岐阜大学の共同利用施設としてセンター化されました。平成17年より運用を開始した新しい施設は、岐阜大学に初めてできた大型の中央集約型の近代的な動物実験施設です。岐阜大学には、これまで、このような大型の動物実験施設がなく、研究者は設備的に不可能な実験をあきらめるなど、不便を我慢してきました。岐阜大学の共同利用施設として最先端の設備を提供するのみならず、学部などの壁にとらわれず研究者がともに実験・研究できるようなハブ組織になることを目指し、運営・管理に邁進したいと考えています。 沿革 平成5年 医学部附属動物実験施設を学内設置 平成7年 医学部附属動物実験施設設置(省令施設) 平成15年 動物実験分野を設置 |