教室紹介
本講座は1985年4月に「臨床検査医学講座」として開講され、2004年4月の大学院化に伴い、「病態情報解析医学分野」と改称した。この講座(分野)は病院の中央診療部門の一つである検査部も担当しており、臨床系講座の一つとして分類される。本講座の内容は検査業務の運営・管理、研究、および医学部学生に対する教育というように他の臨床系講座と同様に3本柱となっている。講座としての研究は基本的には疾患の病態解明であり、そしてその解明の手段としての新しい測定法の開発である。
初代講座主任教授は川出眞坂名誉教授(1985.4〜1987.3)、二代目は野間昭夫前教授 (1987.10〜1997.3)、私で三代目となるが、主要研究テーマは脂質、なかでもリポ蛋白代謝であった。現在はサイトカインノックアウトマウスなどを用いて、サイトカインの種々病態における役割について検討を行なっており、教室の一貫したテーマであったリポ蛋白代謝に関しては動脈硬化とサイトカインという研究テーマのなかで受け継がれている。またアミノ酸の一つであるトリプトファンの代謝について神経疾患も含めて各種病態で検討しており、その代謝産物の測定法の開発など、診断あるいは病態解明の有効な手段として用いられることが期待される。さらに最も新しいテーマとしてはプロテオミクスがあり、種々病態における生体の変化を血清蛋白レベルで評価しようと試みている。研究は若い大学院生が中心となっており、活気に溢れている。また臨床系講座との共同研究も積極的に取り入れている。
研究は常に真剣勝負である。そういう人にとってはデータはかけがえもなく大切なものであり、そしておのずからそこに価値、喜びが見い出されるものである。そうでなければ研究は苦痛以外の何ものでもない。
病態情報解析医学分野 教授 清島 満