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故・栗本 珍彦先生(岐阜大医学部微生物学初代教授)の書


Prologue - 嫌気性の生活と偏性嫌気性菌

 かつて遊離の酸素が存在しなかった(嫌気性)と考えられている地球は、今では約21%の酸素を含む大気圏に包まれている。われわれ人間を含め地球上の生物の多くはこの酸素に完全に依存した生活(好気性の生活)を送っている。

 ところが、地球の表面やわれわれ自身の皮膚や粘膜の表面のある部位には、酸素が極めて少ない環境あるいは酸素が全くない環境があり、そこには依然酸素に依存しない生活(嫌気性の生活)がある。

 嫌気性の生活の場には、酸素があってもなくても生存できる通性嫌気性菌(好気性菌と呼ぶ)と酸素があっては生存できない偏性嫌気性菌(嫌気性菌と呼ぶ)が一緒に生活している。人の粘膜上の嫌気性環境にすむ偏性嫌気性菌は、通性嫌気性菌よりも旺盛であり、その場の主役である。

 嫌気性菌と好気性菌は、粘膜上では人に有益な営みをしていることが知られているが、粘膜の破綻などを契機に組織内に深く侵入して病気をおこす。組織には毛細血管が酸素を運んでいるが、正常の毛細血管内の血液中の酸素は5%程度にしか過ぎず、ちょっとした血管の破綻は、その周囲の酸素分圧を容易に0%(嫌気性)にしてしまうのである。



岐阜大学医学部附属嫌気性菌実験施設
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