1.核磁気共鳴分光装置(NMR)
外部静磁場に置かれた原子核が固有の周波数の電磁波と相互作用する現象(核磁気共鳴)を用い物質を分析する装置。溶液状態で測定が出来、原子レ
ベルの分解能を持つ。医学部施設には、下記の3台のNMRが設置されている。
1) Bruker Biospin AVANCE III
800 + クライオプローブ
- 主にタンパク質をはじめとする生体高分子の立体構造解析・運動性の解析、相互作用部位の同定等に使用可能。
- 磁場強度は18.8テスラ (水素の共鳴周波数800MHz)。
- 1H, 13C, 15N, 2H核を照射し1Hで高感度の測定を行う多重共鳴測定が可能。
- クライオプローブによる測定感度の飛躍的な向上により、少し前では測定が難しいと考えられていたサンプル量でも測定可能となり、測定
にかかる時間を飛躍的に短縮、16倍のサンプルスループットを実現している。
- 検出器の自動最適化が可能。
- -5~50℃の温度範囲で±0.1℃以下の温度制御が可能。
2) Bruker Biospin AVANCE III
600 + クライオプローブ
- 主にタンパク質をはじめとする生体高分子の立体構造解析・運動性の解析、相互作用部位の同定等に使用可能。
- 磁場強度は14.0テスラ (水素の共鳴周波数600MHz)。
- 1H, 13C, 15N, 31P, 2H核を照射し1Hで高感度の測定を行う多重共鳴測定が可能。
- クライオプローブにより測定感度は、飛躍的に向上。
- 検出器の自動最適化が可能。
- -5~50℃の温度範囲で±0.1℃以下の温度制御が可能。
3) Bruker Biospin AVANCE III
500
- 主に有機化合物を対象とする。化学シフト、スピン-スピン結合、積分強度から分子構造がわかる。
- 観測可能核種は、1H, 19F, 31P~109Ag。
- -5~50℃の温度範囲で±0.1℃以下の温度制御が可能。
- 簡易測定用プログラムによりほぼ全自動で測定が可能。
- オートサンプラーにより最大24サンプルまでの全自動測定が可能。