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園芸培土としてのピートモスの性質


中国産のピートモスを除く他のピートモスはCECが10me/100mlであったが、中国産のピートモスはCECが著しく高く、肥料の保持能力が高かった。


中国産のピートモスは、固相率が30%前後と高かったのに対して、他のピートモスは10%以下であった。


pF1.0、すなわち潅水直後の水分率(液相率)はカナダ産(2)が70%と高く、中国産は50%前後と低かった。


pF1.0と2.0の差、すなわち潅水直後から潅水点までの水分率(植物が吸水できる有効水の割合)はヨーロッパ産、カナダ産は20〜30%と高く、次いで中国産の20%前後であった。これに対してロシア産は3%と著しく低かった。

結  論

 市販されているピートモスを分類すると、ロシア産、中国産、ヨーロッパ・カナダ産の3種類に区別できた。
 ヨーロッパ・カナダ産のピートモスは固相率が低く、潅水時には60〜70%の水を含み、気相率も20〜30%を含んで
   おり、植物が吸水できる有効水も20〜30%と多かった。
 ロシア産は、ヨーロッパ・カナダ産と性質は似ているが、植物が吸水できる有効水が3%とほとんどなく、「湿っているの
   に植物が萎れる」といった現象が生じる可能性があり、使用に当たって注意を要する。
 中国産のピートモスは、保肥力が高く、固相率も30%前後と高いことから、田土や赤玉土などに類似した性質を持つ。
 ピートモスの使用に当たっては、これらのデータを基に、産地ごとに区別しながら使用する必要がある。