1998年(H10年)から日本一かき王国推進プロジェクトにおいて「めざせ!!大玉うまい柿」をスローガンに、大玉づくり運動を展開している。低樹高化はここ10年でほぼ定着し、省力、安全性の向上が図られてきた。産地をさらに発展させるために、園地の流動集積化、管理作業受託組織の整備などにも取り組んでいる。また、「より良い物を、より値打ちに、いつでも」出荷できる長期安定・計画出荷体制の一貫として、コンテナ栽培(ボックス栽培)、棚栽培等の新技術の積極的な導入や富有を中心とする晩生品種主体から中生や早生品種の導入についても検討を行っている。現在の栽培面積は、岐阜地域が約900ha,、西濃地域が約400ha、中濃地域が約50haとなっている。
岐阜県では美濃の平野を除くほとんどの地方で山林が多く、至る所に野生栗が自生しており、これに接ぎ木したり、苗木を植えたりして栗が育てられました。その基礎となるのは明治末期に苗木の配布を行って奨励に努めたことによって築かれました。大正の始めに不破郡・可児郡で、大正の終わりには恵那地域で生産され、このころから、良質の栗が出荷できるようになり、地元の加工業者が名物「くりきんとん」等の加工して、その名を高めました。昭和25年には果肉の黄色が濃く、甘みの強い「利平栗」が誕生しました。高富町大桑の土田謙吉さんが天津甘栗系品種と「大桑大粒」を交配し育成した品種です。現在は東濃地域(約150ha)、中濃地域(約150ha)、西濃地域(約15ha)において「丹波」「筑波」「利平」を中心に栽培されています。なかでも中津川市・恵那市・美濃加茂市が栽培面積が多くなっています。最近では、低樹高化が推進され、栽培管理労力が省力化されると共に、大果多収生産が実現し、積極的な計画的な改植による園地の若返りも実施されている。
武儀郡洞戸村で、特産のキウイフルーツの摘果作業が始まった。小さすぎる実や傷のついた実をより分ける作業。小さなエメラルドグリーン色の実が、太陽の光を吸収してゆっくり大きくなっている。 キウイフルーツの花は5月に咲いた。いまは、長さ約5センチの緑色の実が枝にぶら下がっている。 同村尾倉にある農業野村実さん(72)の農園では、1万個近いキウイフルーツが風に揺れている。昨冬の雪のために半分ほどの木が傷んでしまったが、残りの木にはことしも実がなった。 受粉のときに雨が降らなかったため順調に育っている。台風や病気の心配もあるが「このままいけば上等」と野村さん。4ケ月後には甘くてすっぱいキウイフルーツが味わえる。
【ミカン】
県内唯一のミカン産地、海津郡南濃町の生産農家では、貯蔵庫に数カ月間寝かせて酸味を和らげた“甘いミカン”の出荷が始まっている。 同町産業課によると、町内には525戸のミカン農家があり、延べ約150ヘクタールで栽培。年間1000トン前後を生産、出荷している。 11月ごろに収穫のピークを迎える早生(わせ)などはすぐに出荷されるが、貯蔵熟成の対象になるのは12月に収穫する晩生(おくて)。果皮が厚くて甘みがある半面、酸味も強いため、1−4カ月ほど寝かせて酸味を和らげ、甘みだけを残す工夫をしている。 同町松山の川合農場(川合聡代表)では、貯蔵庫に約15トンのミカンがあり、5度前後の室温で保存。適度に熟成されたミカンは果皮を鮮やかなだいだい色に染め、甘みも増している。 同農場は市場へは出荷していないが、1月初旬から注文に応じて個人販売を行っている。川合さんは「例年と比べ収量は三割ほど少ないが、果実の大きさや糖度はまずまず」と話す。 出荷作業は3月末まで続き、ピークは1月下旬から2月上旬の間。西濃全域や岐阜市などに出荷され、10キロ550円前後で販売される。