高山市を中心として、上宝村、神岡町、宮川村、河合村、古川町、国府町、丹生川村、高根村、朝日村、久々野町、宮村、清見村、荘川村、白川村、小坂町、萩原町、馬瀬村、下呂町、金山町の1市、19町村からなる地域で、トマト、ホウレンソウ、ダイコン、キャベツ、モモ、リンゴ、キク、トルコキキョウ、バラ、花苗などが生産されています。


【雨除け栽培】岐阜県で開発された栽培方式で、夏季の降雨による品質低下や病害発生を抑制するために、パイプハウスの上部だけビニール被覆を行い、側部は解放する栽培管理方式。飛騨地方で栽培されるトマト、ホウレンソウは、この「雨除け栽培」と共に成長し、雨除け栽培は全国に広がった。

【トマト】
 品種はすべて「桃太郎8」に統一され、作型は夏秋トマト栽培です(3〜4月:播種、5月下旬:定植、7〜11月下旬:収穫)。栽培面積は約160haで、平均収量は約7t/10a。 主な出荷先は京阪神で、全体の66%をしめており、京阪神での飛騨のトマトの占有率は50%にも達し、8月から9月に京阪神市場で取り扱われるトマトの60%は飛騨地方のトマトである。 苗のほとんどはプラグ苗生産で行われており、「飛騨セルトップ」のほか、「ダイヤトピーグループ」、JA飛騨などでプラグ苗生産が行われており、各農家に配布されている。 選果は各地域毎に設置された共同選果場で自動選果され、出荷されている。 他の産地と同様土壌病害が発生しており、土壌消毒や抵抗性台木の利用などが行われてきたが、近年有用微生物資材などの導入などの新たな試みが行われている。

【ホウレンソウ】
 3月から次々と播種し、11月まで収穫が行われる夏穫りホウレンソウ。栽培面積は約700haで、総販売額は約50億円。主な出荷先は京阪神、名古屋で、いずれの市場でも7月から8月にかけて取扱量の70%が飛騨のホウレンソウで占められる。年間5回の収穫が行われ、なかには6回以上の収穫を行う場合もある。トマトと同様に土壌病害の発生が問題となっているが、これまでは土壌消毒で対応してきた。しかし、環境問題への配慮から、太陽熱を利用した土壌殺菌や堆肥、有用微生物資材による防除も試みられ始めている。近年開発された新しい作型として、11月下旬から12月に種子をまき、冬季は積雪下に置き、2月中旬から3月上旬の残雪期にハウスにビニールをかぶせて低温下で発芽・生育させた後、4月下旬まで収穫する「雪割りホウレンソウ」があります。「雪割りホウレンソウ」は低温下で生育を行うため、「柔らかくて甘味がある」と市場での人気は高く、新ブランドとして温暖な産地のホウレンソウより高値で取引される。

【モモ】
 飛騨桃の名産地である吉城郡国府町で、桃の出荷がピークを迎えている。飛騨果物王国・上広瀬果樹組合(舩坂正信組合長)では連日、出荷作業に追われている。 この時期は「昭和白桃」が中心銘柄。農家が収穫、厳選した桃は一つひとつ丁寧に箱詰めにされ、組合員らが集荷場でさらにチェック。検査を終えると、飛騨地域をはじめ岐阜市、名古屋市などに出荷していく。 今年の出荷量は平年並みだが、雨が少なかったために糖度は平年より3%以上高い15%前後。非常に出来がよくおいしいという。価格も平年並み。 舩坂組合長は「美肌、便秘、糖尿病に効くなど、桃は健康食品でもある。ぜひ味わってください」と話していた。 9月に入ると「川中島白桃」の出荷が始まる。
吉城郡古川町黒内の共同農場「黒内果樹園」(赤田与和組合長)で「飛騨桃」の収穫、出荷が行われている。 同果樹園の桃園は14.7ヘクタール。6千本の桃の木が植えられ、いま「白鳳(はくほう)」の出荷が盛ん。盆をピークに20日ごろまで続く。その後、「昭和白桃」の出荷が始まる。 今夏は雨が多く糖度が心配されたが、収穫量、甘さなどはほぼ平年並み。直径10センチほどに育ち、収穫を待つばかりの桃がたわわに実っている。 主な出荷先は名古屋市を中心とした中京圏。価格は5キロ(15個入り)で4800円と昨年並み。

【リンゴ】
 県内一のリンゴの産地、大野郡久々野町では、高冷地で栽培した秋の味覚「飛騨リンゴ」が色づき始めた。今年の収穫時期は平年並みで、来週から本格的な収穫作業が始まる。 同町では約34ヘクタールの畑でリンゴを栽培。昨年は台風被害のため、一昨年に比べると108トン減の419トンを収穫した。今年は4月に霜害を受けたものの、その後の天候がよく「見かけに多少は影響が出るが、味は保証する」と農家。 同町無数河の果樹農家青木靖宏さん(53)の畑は標高830メートル。今は「津軽」が赤くなり、光を満遍なく果実に当てるための葉摘み作業に追われている。 「リンゴの実は養分の貯蔵庫。酸味と甘みでコクのある、久々野のリンゴを食べてみてほしい」と青木さん。収穫はリンゴの品種に合わせて11月下旬まで続く。




【トルコキキョウ】
切り花として人気が高いトルコギキョウの出荷が、吉城郡国府町などで始まっている。出荷は7−9月を最盛期に11月まで続き、今シーズンは約300万本が京阪神、中京、東京方面に出荷される。 トルコギキョウは北アメリカ原産のリンドウ科の植物。白やピンク、紫、白地に紫のふち取り、黄色など花の色や形が違う品種が多く、日持ちが良いので人気がある。 飛騨地方では10年ほど前から栽培を始め、今では生産農家約80戸、栽培面積約11ヘクタールに広がった。種が小さく苗作りが難しいた手も借り、作業に追われていた。



【メロン】
 高山市や丹生川村、古川町など約20戸の農家が研究会を組織し、「飛騨メロン」のブランドで「アールスメロン」を2.1ha栽培している。主にお中元品としての利用が多く、出荷は7月から8月中旬まで続く。昼夜の気温差が大きい飛騨の気候が糖度の高いメロンを育てる、と評判が良い。 販売方法として宅配や高山市の朝市などを積極的に活用しており、市場出荷はほとんど行っていない。






【アキシマササゲ】
 グリーンピースを10月に播種し、6〜7月に収穫した後、7月に「アキシマササゲ」を播種し、8月から10月に収穫が行われる。アキシマササゲは飛騨地域特産の良食味ササゲで、収穫時にはサヤに紫色のシマ模様が見られるが、茹でると鮮やかな緑色になることから、「湯上がり美人」の愛称で呼ばれ、飛騨地域特産品として出荷されている。 岐阜県中山間農業技術研究所を中心として、アキシマササゲの特性を解明するとともに、作型・施肥法・栽培法の確立などの研究が行われている。



【山ブドウ】
飛騨の特産品として山ブドウの栽培に取り組んでいる高山市内の農家でこのほど、たわわに実った山ブドウの収穫が始まった。収穫した山ブドウは長野県三郷村のワイン工場で醸造され、来年1月には限定醸造・限定販売の「山ぶどうワイン飛騨」となる。 山ブドウの栽培は、「飛騨山ぶどう研究会」(桝田稔会長、12人)が1989(平成元)年から取り組み始めた。収穫しやすいように畑に棚を作り、飛騨の山に自生する山ブドウを挿し木。92年から収穫できるようになった。 この日収穫が始まったのは同市山口町の桝田会長方のぶどう園。シルバー人材センターの会員10人を頼んで収穫作業。黒紫色に熟した山ブドウを一房ずつ丁寧に、はさみで切って収穫した。毎年手伝っている会員は「今年は玉も房も大きいよ」と顔をほころばせていた。 市内の栽培面積は3ヘクタール。昨年は遅霜の影響で収量は1トンと例年より少なめだったが、今年は豊作で約2トンの収穫を予想。今月下旬までに各農家で収穫を済ませて、ワイン工場に持ち込む。「山ぶどうワイン飛騨」は市内の酒小売店で販売されるが、山ブドウ特有の酸味と渋味が人気だという。