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Los Angels Flower District
 ● Southern California Flower Growers Market, Inc.
 ● American Florist Exchange, Ltd.

  
Southern California      American Florist Exchange, Ltd        Wall Streetから見た
Flower Growers Market, Inc.                              Los Angels Flower District

 ロサンゼルス市街の7th streetと8th street、San Julian streetとMaple avenueに囲まれた1画が、アメリカ最大の花市場「Los Angels Flower District」です。この花市場は、Wall streetを挟んでSouthern California Flower Growers Market, Inc.とAmerican Florist Exchangeの2社で形成されています。
 市場の形式は相対市場で、業者だけでなく、一般消費者も下記の開場時間帯には花を購入することができます。ただし、一般入場者は入場料が必要で、月曜日〜金曜日は$2.00、土曜日は$1.00です。
業者専用販売時間
月、水、金 午前 2:00 〜 午前 8:00
火、木、土 午前 5:00 〜 午前 6:00
一般消費者向け販売時間
月、水、金 午前 8:00 〜 正午 12:00
火、木 午前 6:00 〜 午前 11:00
午前 6:00 〜 正午 12:00
 南カリフォルニアのサリナスからとロサンゼルスにかけての地域は、日中は強い日射量が確保でき、朝夕に海霧が発生する年間を通じて安定した亜熱帯気候で、花き生産に適していたことから、多くの日本人入植者がキクやバラなどの切花生産を始め、その流通ルートを確保する目的で花き市場が形成されました。現在でも50以上の日系の花き生産者が市場内に店を出しており、日系人が市場の運営に大きな影響力を持っているそうです。

 
 

 ロサンゼルスに花市場ができた経緯を紹介します。
 1892年に日本からの移住者がサンタモニカ周辺とロサンゼルス南部で花き生産を開始し、カリフォルニア州で多くの日系人が花き生産農場を作って大規模な生産を始めました。なかでも北部カリフォルニア(サリナス周辺)は大規模な花き生産地として発展しました。その理由は、サンフランシスコが日本からの移民の受け入れ港であったことによるものです。
 1913年に日系人の花き生産農家と販売業者が花き市場を開設し、これが現在のSouthern California Flower Growers Market, Inc.の前身となっています。1923年に現在の場所に移転するとともに、1924年にはアメリカ人によるLos Angels Flower Market(現在のAmerican Florist Exchangeの前身)がWall Streetを挟んで建設され、現在の「The Los Angels Flower District」が形成されました。
 市場内には、アメリカで生産された切花ばかりでなく、世界各地から輸入された切花も販売されており、品揃えは極めて多岐に渡っていました。ほとんどのものがバケット流通をしており、オランダのアールスメール市場のロゴの入ったバケットも利用されていました。

   

 近年は、スペイン系移民による鉢物生産も盛んになってきており、市場の鉢物販売ブースも多くのお客さんで賑わっていました。

    

 市場で見た花の価格一覧です。

バラ(エクアドル産)
$7.00/12本
バラ(エクアドル産)
$4.00/24本
バラ花束
$8.00/12本
バラ(USA産)
$5.00/24本
バラ(USA産)
$15.00/24本
バラ(エクアドル産)
$12.00/12本
バラ花束
$10.00/12本
マリーゴールド切花
$1.50/12本
コチョウラン
$15.95/鉢
ミニバラ
$7.50/鉢(15cm)
スパティフィラム
$2.25/鉢(10cm)
花壇苗
$1.00/鉢(10cm)
 バラについて見てみると、予想通りエクアドルやコロンビアからの輸入バラが大半を占めていました。エクアドルのバラは、気候が良く、露地栽培であるため、アメリカ産のものと比較すると花が大きく、ポッテリとした感じです。
 下の写真のバラは、すべてエクアドル産のバラです。

   

 1978年以降のアメリカで流通している切りバラの推移を示したのが下の図です。
 1990年まではコロンビアからの輸入量が増加するに従って国内消費量も増加し、国内生産量も増加したのですが、1990年には輸入の割合が38%に達し、その後はエクアドルからの輸入の増加に伴って国内生産量が急速に低下し、2002年には国内生産量は全流通量の15%にまで低下しています。
 アメリカにおける切りバラ生産の本場であるロサンゼルスの花市場でも、ほとんどがエクアドルやコロンビア産でアメリカ産のバラを見かけることはありませんでした。