Minaye Flowers Plc.
Debre Zeit, Ethiopia
Minaye Flowers Plc.は2005年に設立されたエチオピア資本の会社で、標高1,950mにあり、生産面積は14haです。土地は農家から借地したり購入したりしており、土地の取引にあたって政府の支援があるとのことでした。従業員420人を雇用しており、年間2,100万本のバラを生産しています。労働者人件費は1日あたり10エチオピア・ブル(68円)と信じられない低賃金です。エチオピアの気候は、最高気温25℃、最低気温10℃前後と日本のゴールデンウィーク過ぎの気候です。
一年中同じ気候のため、到花日数は一年を通して50日で、年7回収穫が行われています。仕立て方式はハイラック仕立てで、折り曲げ枝の葉数も十分に確保されており、生産性は高いと感じました。バラの成育は極めて旺盛で、定植直後の苗からは既に旺盛なシュートが伸び始めていました。切花長も60cmクラスが主体で、200本/u程度は収穫できているのではと思います。
苗はJoytec社(http://www1.gifu-u.ac.jp/~fukui/03-etiopia-rose04.html)とEthioplant社から購入していました。
日本への輸出にあたっては、2商社と取引していました。
ハウスなどの資材はイスラエル製を用いています。
栽培方式は養液土耕と、火山礫を用いたハイドロポニック水耕栽培です。ハイドロポニック水耕栽培ではでは廃液を回収して循環して再利用しています。ハイドロポニック水耕栽培ベッドは高畝の上に設置してあり、潅液回数は11回/日とのことでした。また、潅液回数を制御するために、日射量センサーを備えた養液供給電磁弁が設置されていました。
切花収穫は9:00と14:00の1日2回が基本ですが、開花状況によっては1日3回行う場合もあります。切花収穫のハサミに消毒用に、数ベッドごとに塩素系殺菌剤の入った容器が置いてありました。
従業員の勤務内容は徹底されており、温室の清掃が行きとどいています。
養液調整はコントローラー1台で3温室をまかなっており、3台のコントローラーで制御しています。養液調整は5液混合方式でした。循環して回収した養液はサンドフィルターと紫外線を用いて殺菌します。養液の回収で肥料代が20%節約できています。
用水は河川の水をポンプで汲み上げているのに加えて、地下水も併用しています。地下水汲み上げ用ポンプの能力は230リットル/秒とのことです。汲み上げた河川の水や地下水は、いったん貯水池に溜めてから貯水槽にポンプアップして養液調整に使用します。
害虫では特にダニが問題となっており、IPMを導入して病害虫管理を行っています。農薬散布にあたって、種類、危険度、散布日、入室許可日などが記載できるボードが掲示してありました。
収穫したバラは専用リヤカーで予冷庫に搬入します。
選花場は広く、作業員一人ずつ作業量がチェックされています。バラを選花する時に、花に傷が付かないように白い軟質パイプが置いてあり、花をそのパイプにもたせかけて選花が行われていました。
クマデのような器具で切花の下葉を取り除いていました。結構効率が良く、切花を3〜4回掻き下げるときれいに葉が取り除かれます。
電力供給が不安定なため、2基の発電機が備えられていました。
生産農場は町から少し離れているため、送迎用のバスが2台確保されています。