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●上海嵐霊花鳥市場
(上海市普陀区霊石路1539号)

 上海嵐霊花鳥市場は上海駅から西北西3kmにある花き市場で,上海精文花卉市場の廃止にを受けて2003 年10 月に新たな市場として開場しました。市場面積は28,775uで上海最大の市場面積です。中国上海の車社会の発展を見越して,200台が駐車できる駐車場も整備されており,上海市民を主要顧客として開場されました。市場の周囲は上海郊外の住宅地で,地下鉄7号線の駅も近くにあり,今後発展する可能性を持っています。

 店舗はマンションのような雰囲気の建物で,1階は店舗,2階は事務所・倉庫として設計されています。ブース借用料は5 万元/40 u/年です。全体は22ブロックに分かれており,300以上の出店ブースが準備されていました。訪問した2004年1月はオープン直後ということもあって,半分程度のブースが開店していました。

   

 切花の他,鉢花,観葉植物,盆栽,造花,金魚,鳥,昆虫など,まさに中国古来の花鳥市場の現代版のような市場です。実は,上海嵐霊花鳥市場は花き市場としてよりも観賞魚の市場として有名で,観賞魚の取扱は上海一とのことです。また,中国では珍しい獣医医院が市場内で開業しており,これから上海で大きなブームになってくるペット産業をにらんだ対応とのことでした。
 上海嵐霊花鳥市場のある普陀区は新興住宅街でマンションが林立しており,周辺に住む住民を対象とした朝市が開かれています。上海駅から近いこともあって,毎朝6:00〜8:20に上海近隣の浙江省や江蘇省の花生産農家200軒が切花を持ち込んで,嵐霊早市(朝市)が開かれています。嵐霊早市(朝市)は生産者価格ということもあって,クルクマ10本/5元,ガーベラ20本/5元,バラ20本/5元,カーネーション18本/2元,ユリ20本/20元などの格安価格で切花が購入できるということで上海市民に好評です。

 

 鉢物の品質は他の花き市場と比較すると少々見劣りがしますが,伝統的な中国の盆景や広州から取り寄せた観葉植物を加工して販売していました。

 

  

 2003年から愛媛県のアジアンローゼズ太洋興業を仲立ちにしてスプレーバラを試験的に輸出し始めています。展示・販売は嵐霊花鳥市場内の薇伊花芸で行われていました。薇伊花芸のブースは嵐霊花鳥市場の正面入口の最も目立つところに位置しており,薇伊花芸の上には「日本のバラが上海に上陸」の文字が掲げられていました。市場調査として,スプレーバラ 10 元/本で販売しており,ギフト市場をターゲットとして展開中である。
 日本から中国への輸出の大きな問題点は関税で,13%の輸入関税と8%特別増値税を合わせた21%の関税がかかるとの話でした。