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●上海精文花卉交易市場  上海市陝西南路225号

 上海精文花卉交易市場は上海最大の切花相対市場で,上海で消費される切花の70〜80%がこの市場を経由して流通されます。
 地下が市内の花店を対象とした卸部で,1階は一般市民も対象とした生花販売ブース、2階は園芸雑貨が販売されています。1階の生花販売ブースには正確な数字は定かではありませんが,100店舗以上がブースを開いていると思われます。

   
 

 精文花卉交易市場は上海市内の中心部にあるため交通ラッシュが常にあり,車での輸送が常識となった現在(2004年)では搬入,搬出が難しくなり,また以前では必要とされなかった駐車場問題も出始めています。さらに,上海市の人口増加に伴って周辺には高層マンションが建設され始めていることから,精文花卉交易市場敷地についてもマンション建設が予定されており,2006年には閉鎖されるとの噂も出始めています。しかし、地権者や販売ブースを持っているテナントとの間で交渉が難航しているようです。
 取扱品目はほとんどが切花ですが,一部鉢物も販売されています。価格は店舗によってかなり異なっており,直接交渉によっては半額程度まで価格が下がる場合もみられました。
 一般に,午前中が地下の卸売を中心に行われており,午後から一般消費者を対象とした小売が行われています。

   
上の写真の一番左の写真は,5年前(1999年)のフラワーアレンジですが,いかにも「花輪」といった感じです。
これに対して右の3枚の2004年のものは,デザイン性がかなり洗練されてきており,一番右のものは「かわいらしさ」と前面に出しています。

  
販売されているバラのなかに「日本から輸入」と記載されたバラを見つけました。10本で45元(1本59円)で販売されていました。
中国昆明産は10本で10〜20元(1本13〜26円)ですので,かなり高く販売されています。(2004年1月)

 
昆明から輸送されてくるバラは花弁がかなり痛んでおり,品質からみても問題があります。


バラの品質面での問題の原因として「輸送段階での取扱方法」を挙げることが出来ます。
昆明からの輸送は鉄道とトラックですが,輸送の制限要因が容積であるため,段ボールに詰め込めるだけ詰め込んで輸送してきます。
左の写真にあるように,本来段ボールは直方体ですが,丸く膨らんでいます。
また,炎天下(この時の気温は35℃でした)に野ざらしになっており,恐らく中の切花は蒸れて痛んでいることでしょう。
写真では見にくいですが,右角をよく見ると,運んでいる人が荷物を足蹴にしているのが判ると思います。

  
このように花弁に痛みがみられたバラは,右の写真3枚のように,痛んだ花弁を1枚ずつ剥ぎ取って「いかにも新しいバラ」のように見せる作業が行われます。
きっとこのバラを買った人は花持ちがすごく悪くて,買った後にガッカリすることでしょう。

  
バラのほかには,カーネーション,アンスリウム,オンシジウム,ユリなどがありましたが,基本的に品目数が少ないと感じました。

 
左の写真は日本から輸出されたシンビジウムで,「河野メリクロン」のラベルが付いており,値段は何と1,200元(15,600円)の価格がついていました。
中国国産の平均が80〜100元(1,000〜1,300円)ですから,10倍以上の高級鉢物です。

  
地下の卸売り部の光景です。上海市内の花店が各々の専門卸からバラ,ユリなどを購入し,台車に乗せて買っていました。