★「花郷花卉市場」 【相対市場】 (北京市)
北京市豊台区花郷は北京市の南に位置する地域で、清の時代から花の生産が盛んな地域として発展してきたそうです。この花郷地区には108の村があり、いずれの村でも花卉生産、特に鉢花生産が盛んです。生産技術は極めて高く、積極的に海外の品種や栽培技術を導入し、北京での花卉生産をリードしています。このような花卉生産地域に位置する相対市場の1つに「花郷花卉市場」があります。
市場の建物内には、長さ500m程の通路が3本あり、その通路の両側に間口3m×奥行き4m程度の販売ブースが並んでいます。各々の販売ブースでは生産農家あるいは生産農家から仕入れた業者が販売を行っていました。1ブースの年間借受金額は3万元(45万円)だそうです。ここで販売されている鉢花の品質は極めて高く、日本で生産・販売されている鉢物と比較しても全く遜色のないものばかりでした。ただし、価格面では日本の2倍以上の価格で販売されていました。
市場内は日曜日の午後(国慶節の連休最終日)ということもありましたが、肩と肩が触れ合うほどの人出で賑わっていました。日本では大きな園芸店の開店セールでも見ることができないような込みようです。
写真のように日本で販売が十分できるような高い品質の鉢物が販売されていました。
店のレイアウトも良く考えられており、販売方法のレベルもかなり高いものと感じました。
北京市は土埃が多いため、店の人は観葉植物の葉を一枚一枚丁寧に拭いていました。葉の光沢があると高く売れるため、「リーフシャイン(Leaf Shine)」というスプレーワックスをかける店もありました。
商品のなかにはシクラメンやアザレア、シンビジウムのように品質がまだまだのものもありますが、これらについては栽培技術が充分伝わっていないことによるものと思います。
視察中に大鉢の観葉植物を購入した人がいましたが、いかにも会社の玄関に置くといった雰囲気で、個人消費はまだまだ未熟な段階といえると思います。
花郷の「花卉市場」は、建物内にある3本の通路のうちの1本が「切花通り」になっており、その両側には切花のブースがずらりと並んでいました。2年前と比べて品質が良くなっていましたが、相変わらずウドンコ病の発生は改善されていませんでした。
2年前の「昆明の花博」の時と比較すると、格段にバラの品種数が増えていました。また、2年前には、白いバラの品種名を聞くと「パイメイクイ(白バラの意味)」、赤いバラは「ホンメイクイ(紅バラの意味)」といっていたのが、今回はしっかり品種名が記載されていました。中国も品種の概念が優先されるようになったのでしょうか・・・。
中国の切花需要の多くは盛り花です。開店記念や誕生日などの催事には盛り花を贈る習慣があります。上の写真の盛り花で、300〜400元(4500〜6000円)程度の価格です。また、結婚式には車を写真のように花で飾り新婚さんを祝います。調度車に乗っているときに横を豪華に飾った車が通っていきましたが、まさに写真のように花が飾ってありました。車の飾りも、300〜400元(4500〜6000円)程度の価格です。