★「上海鮮藝花行(上海嘉盛園芸有限公司)」 【花店】 (上海市)
〒200085 上海市南天潼路1号 TEL:(021)63072828
上海鮮藝花行には,2004年1月と7月に訪問しました。
社長の王興国さんは,中国花卉協会零售業分会(小売業部会)の副会長も務められており,中国の花卉流通業界の中心的な方です。奥様の徐佩青さんはフラワーアレンジメントデザイナー(花藝設計師)の資格を持っておられ,花を素材として売るのではなく,商品性を高めて販売することに力を入れておられます。
上海新藝花行は,JFTD中国本部に指定されており,中国国内でも「花キューピッド」のシステムを広げたいと考えています。
中国ではフラワーデザインの技術が低く,これからの花産業の発展のためにはフラワーデザインの技術向上が不可欠であるとの考え方から,フラワーデザイン学校を設立されています。
上海新藝花行は20年前から開業しており,中国の花卉産業の発展を実際の販売現場の目から正確に捉えておられます。
以前は6haのバラ生産を行っていた。10年前のバラ生産形態は、無加温・保温栽培、もしくは露地栽培で、5月と9〜11月が切り花出荷時期であったそうです。この話から想像するに,10年前の中国の切りバラ生産は露地栽培が中心であったと考えられます。
店の客の7割は富裕層の固定客であり,普通の花店より3割程度高い。日本企業からも多数の注文を受けている。
最も売れている価格帯は,フラワーアレンジで300元(3900円)以上で,安いものはむしろ売れない。購入者のほとんどはアレンジされた盛花を購入し、ギフトとして使用します。
富裕層が対象であることから,品質や素材を厳選して扱っており,上海精文花卉市場で見かけるような低品質のバラは使用せず,昆明の特定の生産者から空輸で仕入れている。また,包装資材も日本から輸入している。
バラはいずれにしても花の女王で,全売り上げの30%を占めており,現在はバラについては「品種」の明示がされていませんが,「これからは,バラについても品種名を明記した販売をしていきたい」との意向でした。
客本意の考え方を店のモットーとしており,その典型例として,「春節の時期は寒いため、バラやコチョウランは寒さに弱く,花持ちが悪くなるため使用したくない。ユリやチューリップは耐寒性が高く,春節向きの花材として好ましいと考える。」と言っておられました。
王興国社長の分析によれば,
「中国の花き産業の歴史をみると、現在は第3段階に達していると考えている。
第1段階は改革開放時代で、バラ、カーネーション、フリージアなど、作れば何でも売れた時代。
第2段階はコチョウランに代表されるように少し上のランクの花商品が品質に関わりなく大量に売れた時期。
現在はシンビジウムで見られるように品質を基準に消費者が判断し始めた第3段階といえる。
自分で花を買って、自分で飾る人は1%程度ではないか。
テレビ放映やイベント協賛によって消費者の花き消費の方向が大きく変化する時代になった上海は花き情報発信地である
1年間で最も高いのはバレンタインデーで,オランダ輸入の「青い着色バラ」が1本300元で販売した。
日本からの輸入バラについては「大変興味を持っている」。希望価格は1本15元(195円)で,販売予想価格は30〜35元程度である。
上の写真のようなフラワーアレンジは平均1日20個程度販売しています。注文のほとんどは電話での注文で,インターネットでの注文は「まだこれから」といった段階のようです。
最近取り組み始めたものとして,結婚式の花飾りをトータルで企画・提案する取り組みで,テーブルやブーケはもとより,壁の花飾りからホテルの入口からパーティー会場までも花の色や素材を含めて総合的にデザインするものです。写真で実施例を見せて頂きましたが,中国の青年富裕層の裕福さと洗練されたデザインに驚きました。
●上海鮮藝花行での売上げに占めるバラの割合は30%で,色別にみると,赤:30%,白・ピンク・オレンジ・緑:10〜15%だとのことです。
●スプレーバラについても1本25元(325円)で販売している。
●バラの香りについては,あまり強くない方がよいが,あった方がよい。
●上海新藝花行のような高級花店は,上海でもまだ少なく,これから増えるのではないかと思う。
中2階にはインターネット販売のブースがあり,担当者がコンピュータに向かっていました。
上の写真は,春節の前に掲示された「お断り文章」です。内容は,
「常日頃から当店をごひいきにして頂いているお客様には大変有り難うございます。春節時期は花の予約が一杯で,店での営業を停止させて頂きます。」
店での営業を止めなければいけないほど,「旧正月の時のフラワーアレンジの注文が多い」ことを示しています。
日本の花屋さんが聞くとキット羨ましがるでしょうねえ・・・。