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(有)サンフローラ
 【トルコキキョウ切花生産】
 (大分県豊後大野市)

2006年4月16日にイシグロ農材(株)福岡営業所の野口謙司氏の案内で(有)サンフローラを訪問しました。
 今まで見たことのない生産方式でトルコキキョウの切花を生産していました。
 底面吸水マットの上に生分解性ポットで生産した苗を定植し,養液栽培を行うものです。成長が進むと生分解性ポットから根が出てきますが,空気に触れるためにそれ以上は根が伸長することなく鉢の中に根が充満していきます(エアープルーニング現象といいます)。
 肥料は遮根シートを通じて底面マットから供給されるため,植物体に比べて根域が異様に小さい特徴があり,超密植栽培が可能となっています。

 充分な肥培管理を行うことができるため,切花長はとてもトルコキキョウには思えない程の長さで,150cmはあります。(下の写真の人の身長と比べてみてください)

 茎の太さはタバコの直径と同じくらいで,従来のトルコキキョウにはない強健さです。当然,茎あたりの花数も多く,1輪でも豪華さを放っています。一般にトルコキキョウは華奢な花姿ですが,(有)サンフローラのトルコキキョウは,トルコキキョウのイメージを一新させる力を感じました。

 当初は,固定ベンチでの底面吸水方式で生産を開始したのですが,システムが完成するに従って,効率化を追求した生産体系が組み込まれ,新しい温室ではローリングベンチシステムが導入されており,システマティックな生産体系が取られています。

 育苗も極めて効率的に行われています。夜冷育苗を行うことで周年苗生産が可能となり,プラグで育苗し,低温処理を行った苗を生分解性ポットに移植します。用土は気相率の高い調整ピートが主体で,底面吸水方式で育苗していました。

 このトルコキキョウの生産方式は大分県で開発された方式とのことですが,素晴らしい生産技術であると思います。
 この生産技術が普及することで,トルコキキョウの周年生産が省力的に行うことができ,かつ高品質な切花生産が可能になるものと思います。