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丸光園芸(あるふぁジャパン)
 【中型ファレノプシスの生産】
 (愛知県西尾市)

 社長の榊原菊夫氏と懇談し、経営についての斬新的な意見を伺った。その一例として、「施設生産者はホテル業と同じである」。温室の植物は宿泊するお客様で、生産者は「1泊○○円」の宿泊料をもらっていると考えることができる。お客様が宿泊中に美味しい食事をしてもらい、体調を崩したり、病気になったり、良からぬ外来者に迷惑を掛けられないように充分な管理をし、旅立っていく際に充分な宿泊料を支払ってもらえるような対応をしていくのがホテル業としての生産者ではないでしょうか?当然、宿泊費を支払ってもらえないような客は選別して、設備に応じた充分な料金を支払える客を迎え入れるための戦略を持つ必要があります。すなわち、温泉旅館、ビジネスホテル、リゾートホテルというように設備に応じて宿泊者のターゲットが異なるように、施設の設備に従って栽培する植物が変るはずです。生産者は、「植物を育てている」といった考え方を持つ方が多いと思いますが、榊原氏の考え方は「植物が本来持っている能力を発揮できるような適切な環境を提供していくこと」であり、経営としては「ロス率の少ない生産の確立」といった意味と受け止めました。
 また、「百姓」という文字から、農業者は「百人の女性(パートさん)を生活させる能力がある」はずで、この点から「あるふぁジャパンはもう少し頑張らなくては!」とのことです。パートさんの雇用に関して極めて先進的な考えを持っておられ、10年勤続のパートさんには「グァム旅行」、15年勤続のパートさんには「ハワイ旅行」をさせており、10月下旬にはハワイ旅行に行くとのことです。さらに、パートさんの「OB会」を組織しておられ、年に数回食事会を企画しているとのことです。これによって、急に忙しくなった場合の「臨時に働いてもらえる労働者」を組織化し、経営上大きなメリットをあげておられるとのことでした。このように、被雇用者の立場に立った労働環境を経営者として常に考えておられ、働いているパートさんは皆さん元気な方たちでした。
 新商品企画として、「テーブルシクラメン」ならぬ「テーブル胡蝶蘭」を開発し、タイとのリレー栽培で開花株をタイより輸入し、1.5ヶ月で出荷するという、まるで花苗のような栽培体系を構築されておられました。
 自分の施設環境や労働状態にあわせた育種も取り組んでおられ、大変興味深い生産者だと感じました。
     
実生と組織培養を組み合わせた生産体系で、主力品種は中型の胡蝶蘭を中心に生産が行われていた。
 これからヒットしそうな「テーブル胡蝶蘭」