私が専門的に研究しているのは20世紀のドイツ哲学、特に〈フランフルト学派〉と呼ばれる、マルクスとフロイトの理論をバックボーンにした批判的な社会・文化研究で知られる思想家たちです。
セミナーでは、私の専門よりも広く間口をとり、現代の社会・文化の特徴をどのように捉えるのか、そこにどのような問題があるのかということをテーマに、様々な文献(たとえば、格差社会批判、排除と包摂をめぐる社会学、映画の表現技法、ベースボールの社会史など)を読んでいます。狭い専門を深く突き詰めるというより現代社会・文化を多面的に考察することに重点を置いています。今年度はじめて卒業生を送り出す予定ですが、卒業論文のテーマも、現代日本の小説、昔話の特性、流行について、など各自が自由な関心勉強をすすめています。
現代という時代について広く多面的に知り考える、ということは、英語やパソコンなどのスキルを身につけるということとは違います。それは一見、無用なようでいて、実は現代を生きるうえで、日々もたらされる情報を自分なりに評価し、自分なりの世界像をもつのにとても「役に立つ」営みです。そのような意味で、現代を生きるための〈教養〉を身につけることが本セミナーの狙いだといえます。
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