昆虫生態学教室では、害虫から益虫を含めた幅広い昆虫の生活史の調査や実験を通して、その昆虫の深い理解を目指しています。最近のテーマは、 1. 社会性昆虫(特にアシナガバチとマルハナバチ)のコロニー内の遺伝構造の分析(遺伝マーカーを使った家系分析です)、2. ウスバシロチョウの遺伝的変異性の分析など、DNAの変異性の調査、3. カキノヘタムシガの性フェロモンの抽出と同定等の農業生産現場に直結する実用的な技術開発です。

 社会性昆虫はコロニー内に遺伝的利害関係が対立する状況にあり、進化生物学上の優れたモデル生物と考えられています。1の研究では、女王のみが産卵しているのか? 女王の交尾回数は何回か? 繁殖虫の性比はどうなっているのか? 等の質問に答えるために分析を進めています。最近、これと同じ枠組みでクダアザミウマという昆虫の繁殖構造の分析も行っています。
 2の研究では、ウスバシロチョウの移動分散がどのような地理的な条件の制約を受けているのかを解明することを目的としています。
 3の研究は性フェロモン剤の開発によって、農薬の散布回数を減らしたクリーンな作物を供給すると共に、労力の低減もはかろうと考えています。また、そのほかにもカノコガ、ネジレバネ、カブトムシ等々、様々な昆虫を研究対象として扱っています。